スティーブン・キングが『ロングウォーク』(邦訳・扶桑社)を書き始めたのは1966〜67年、大学1年生の時だった。本がようやく出版されたのは79年だ。
近未来のアメリカで、ティーンの少年100人が時速4マイル(約6.4キロ)でメーン州の道路をひたすら歩く。その四方を軍用車が固め、兵士たちが監視している。
歩行速度が落ちた少年は警告を受け、一定時間内に速度を戻せなければ、頭を撃ち抜かれて死ぬ。最後の1人になるまでレースは続き、優勝者には莫大な賞金と願いを1つかなえる権利が与えられる。「ロングウォーク」とは脱落が即死を意味する国家主催のデスレースなのだ。
どこかで聞いた話? 99年に中学生が無人島で殺し合いを強要されるホラー小説『バトル・ロワイアル』を発表した日本の高見広春は、『ロングウォーク』からインスピレーションを得たと語った。
2008年にはスーザン・コリンズが、『ハンガー・ゲーム』シリーズの第1作を出版した。近未来の独裁国家で「贄いけにえ」に選ばれた少年少女が殺し合いをさせられ、その模様がテレビで中継されるという物語だ。
『ハンガー・ゲーム』に刺激されて10代向けのディストピア小説が続々生まれたが、ずっと一部の読者は「原点はキングだ」と思っていた。
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