韓国歌謡の空気感が残るソングライティング
彼女の作品が幅広く受け入れられたのは、Z世代の共感を得たからだとよく言われる。同世代である2000年生まれの彼女が作る作品なので、そういう見方は正しいのだろう。とはいえ、これだけ長い間ヒットしているのは、他の世代も引きつけるものがあったに違いない。それは、先ほど少しだけ触れた古き良き時代の韓国歌謡の空気感が残るソングライティングではないだろうか。
「私が生まれていない時代の歌を聴くのは、父と母の若い頃を体験したいからです。当時の歌を聴いていると心がふんわりとして気分が良くなります。両親が恋愛をしていた時代、さらにさかのぼってふたりが出会う前の歌を聴きながら、お互いがどんな感情を持ち、どんな姿で過ごしていたのかを自由に想像するのが面白いんです」
こうしたノスタルジックでロマンティックな見方も反映されたハンロロの一連の作品が、世代を超えて愛されるのも納得のいくところである。また、彼女は韓国のベテラン女性アーティスト、イ・ソラをリスペクトしている。確かに繊細な表現において多大な影響を受けているように思う。
過去の音楽の良さを伝えながら同時代性も持つアーティスト、ハンロロ。メインの活動とともにフィーチャリングやアイドルへの楽曲提供も増えている彼女は、おそらく2026年の“K-POPの顔”になるはずだ。