RMのコメントが追い風に

自作曲「立春」は、今の自身の気持ちを素直につづる歌詞と高鳴る鼓動を的確に表現したギターサウンドに心打たれる。この楽曲の良さにいちはやく気付いたのが、BTSのメンバー・RMだった。彼がインスタグラムのストーリーで「立春」を紹介するやいなや、ハンロロのアカウントに外国人からのDMが殺到。はじめのうちは「ハッキングされた」と焦ったそうだが、やがて事情を知って驚きが喜びに変わっていく。

知名度が上がってからも創作スタイルは変わらず。トレンドに左右されずに好きなようにやる姿が実に爽快である。共通点から育まれる同情や愛を受け入れていいものかと悩む「あなたの夜は私の夜と同じですか」(2022年10月)、広い世界に飛び込んだときの決意と不安を独白する「金魚」(2023年8月)、生きていることを実感する唯一の方法=愛することをテーマにした「生存法」(2024年5月)など、以降も分かりやすい言葉と親しみやすいサウンドで奥深い世界を構築。その独自性はRMだけでなく音楽業界のあちこちでも話題となり、売り上げに関係なく優れた音楽を選出する「韓国大衆音楽賞」では2023年に「今年の新人」と「最優秀モダンロック曲」にノミネートされ、2026年には「今年のミュージシャン」を獲得している。

2022年10月25日にリリースされた「あなたの夜は私の夜と同じですか」。ハンロロは「似ていることから育つ同情、愛はお互いに希望を与えます。それを受け入れてもいいのか悩む過程で書かれた曲です」と語っている。

自作の小説と連動した曲がロングヒット

ファン層の拡大に貢献したのは、小説と音源の両方をリリースした『グレープフルーツアプリコットクラブ』(2025年7月に小説、8月に同名EPをリリース)だ。これは、自分をあきらめたいと思いながらも互いに守り合おうと奮闘する4人の少女たちをテーマにした作品で、小説はその中のひとり・ソハの視点で執筆。音源(計7曲)のほうはソハだけでなく他の仲間も主人公となり、さまざまな思いが交差していく。

このうち「0+0」というタイトルの穏やかなアコースティックポップがロングヒット。昨年12月からずっとランキング上位に入り続け、現在(2026年6月)も状況は変わっていない。さらに「立春」や1st EPの収録曲「愛することになるだろう」(2023年8月)といった過去のオリジナル曲もチャートを逆走するなど、ちょっとしたハンロロブームが起こっている。どうやら小説が先行してベストセラーになったのが追い風になったようだ。

2025年8月4日に発売されたアルバム「グレープフルーツアプリコットクラブ」の収録曲。タイトルの「0+0」は、見知らぬ者同士でも一緒なら(0+0)永遠(♾️)を夢見ることができるという意味だという。

韓国歌謡の空気感が残るソングライティング
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