(18日に配信した記事で、英文の訂正により、最終段落の「009グランド」をに訂正します。)
[香港 18日 ロイター] - 中国の自動車メーカーが富裕層を対象にした高級電気自動車(EV)を引っ提げてオーストラリアから東南アジアに至る右ハンドル市場に急進出し、この市場を長く支配してきたトヨタ自動車などの日本メーカーに戦いを挑んでいる。
しかし、18日に開幕した香港モーターショーでは、業界の野心とは裏腹に、見学者の客足は低調だった。
香港では最高レベルの大雨警報が出されており、初日の会場は閑散。フロアには学生数人と少数のインフルエンサーがまばらに姿を見せる程度だった。それでも十数社の中国ブランドは予定通りプレゼンテーションを行った。
比亜迪(BYD)、Zeekr(ジーカー)、紅旗、MGなどの中国ブランドは、この市場に焦点を当てた製品や戦略を発表する場としてモーターショーを活用した。
こうした攻勢の背景には、中国国内の自動車市場の低迷があり、海外展開を加速させる圧力が高まっている。BMWは今週、中国市場の悪化が加速していることを理由に、2026年の業績見通しを下方修正した。
東風汽車は、今後5年間に海外市場で55モデルを投入する計画だと明らかにした。
何十年もの間、香港の街は日本車一色だった。トヨタの「クラウンコンフォート」はタクシー車両として活躍し、「アルファード」は富裕層の人気を博してきた。
しかし香港運輸署のデータによると、今年1─4月に香港に新規登録された自家用車の80%以上をEVが占めた。BYD、広汽アイオン(GAC Aion)、ジーカー、騰勢(Denza)などの中国ブランドが勢いを増し、公用車と高級車の両部門で日本勢を追い抜いている。
BYDはタクシー車両として重要な足がかりを築き、一部でトヨタ車との置き換えが進む。ジーカーの「009」と騰勢の「D9」の1─4月合計販売台数はアルファードを上回った。
UBSのアナリスト、ポール・ゴング氏は「3月以降の原油高は中国のEVセクターを活性化させ、世界的な関心を再び呼び起こし、中国自動車メーカーに新たなチャンスを生み出している」と指摘する。
原油価格は2月下旬に米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まって以来高騰。ただ、紛争終結に向けた覚書の詳細が明らかになり始める中、今週は軟化している。
中国乗用車協会(CPCA)のデータによると、1―4月にトヨタの市場シェアは東南アジアで1.4%、オセアニアで4.1%それぞれ減少した。
一方、同じ期間に中国メーカーはシェアを拡大しており、奇瑞汽車(チェリー)は東南アジアで1.7%、BYDはオセアニアで2.5%シェアを伸ばした。
例えば東南アジア諸国連合(ASEAN)主要6カ国の2024年の小型車販売台数は、PwCによると328万台に達した。同社は、これらの市場で「中国メーカーが日本勢の支配に積極的に挑んでいる」と指摘した。
量産型EVで地位を固めた中国メーカーは、海外の高級車セクターに照準を定め始めた。
中国第一汽車集団(FAW)のエリート層向けブランドである紅旗は香港モーターショーで、右ハンドル仕様の電動SUV(スポーツタイプ多目的車)「E―HS9」と、新型ラグジュアリーSUVを初公開する。
吉利の高級車ブランド、ジーカーは世界の消費者向け高級車戦略として「009グランド」(訂正)と「9X」を披露する予定だ。