中国は裾野が広い世界一のアダルトグッズ大国

女性向けグッズを手にする東莞友傑電子の張総経理

女性向けグッズを手にする東莞友傑電子の張総経理 TORU HANAI FOR NEWSWEEK JAPAN

女性向けのディルド(張形)などのOEMを手がける中国企業・東莞友傑電子に話を聞いた。リアルな製品からパステルカラーのかわいらしい製品までそろっている。

「わが社は医療機器水準のISO認定まで持っているから安心して発注して」と陳瑞傑(チェン・ルイチエ)総経理。小型のバイブなら1個6ドル、最低発注数500個から注文が可能だ。つまり3000ドル(約48万円)で発注ができる。個人でも仕入れられる金額だ。

イノベーションで付加価値を高める自社ブランドから、価格競争力で勝負するOEM企業まで──。いかにして中国は裾野が広い世界一のアダルトグッズ大国となったのか。

「うちの創業時にはまだアダルトグッズ工場はほとんどなかった」と、陳総経理は振り返った。2006年当時、東莞には10社もなかったというが、今では数百社にまで増えた。アダルトグッズ製造販売には医療機器認証が必要という規制が2000年代初頭に解除され、一気に発展した。

手先の器用な若い女性工員が働く東莞友傑電子の生産ライン

手先の器用な若い女性工員が働く東莞友傑電子の生産ライン COURTESY DONGGUAN YOUJIE PURIFICATION TECHNOLOGY

東莞のアダルトグッズ産業成長の歴史はそのまま、「世界の工場」中国の歴史と重なる。

文化大革命終了後、香港に隣接する広東省には多くの外資系工場が集まった。当初は国外から材料や部品を持ち込み、衣料品縫製や電子機器組み立てなどの労働集約型の工程だけを担当していたが、次第に仕事を覚えた人々が独立し、自らの工場を造り始める。国外から材料を持ち込むより安いと、地場の素材メーカー、部品メーカーが誕生し、産業は高度化していった。

今やEV(電気自動車)やドローン、AIなど多くのハイテク産業を擁するが、その一方で昔ながらの労働集約型産業も残っている。

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