王室の伝統「説明も言い訳もしない」

4月の YouGov世論調査では 英国民の64%は依然として王室制度の継続を支持しており、制度そのものは安定している。しかし若い世代では王室への関心や支持が大幅に低下しており、18〜24歳では王室制度維持45%と共和制移行38%の差が縮まっている。

各王族の好感度では故エリザベス女王81%、ウィリアム皇太子76%、キャサリン皇太子妃75%は極めて高い人気を維持しているものの、チャールズ国王への好感度は60%にとどまった。アンドルー容疑者に関しては93%が否定的な見解を持っていた。

王室は伝統的に「説明も言い訳もしない」という姿勢でスキャンダルをやり過ごしてきた。王室に詳しいユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのロバート・ヘイゼル教授によると、今回は王室がアンドルー容疑者の不正に関するメールを知りながら放置していたかどうかが焦点だ。

より明確な説明をしなければ世論は納得しない

「説明も言い訳もしない」では済まされず、より明確な説明をしなければ世論は納得しない段階に来ている。アンドルー容疑者の王位継承権を剥奪するには英国だけでなく、英国王を元首とするオーストラリアなど他の14の英連邦王国のすべての同意と法改正が必要となる。

このため英国政府も王室も手続きに踏み切ることは極めて困難な状況だ。今回の事件をきっかけにチャールズ国王が君主として保持する資産「ランカスター公領」の支出内訳の開示や、公務を行わない王族への資金の流れの透明化を求める政治的圧力が強まっている。

英国王室は過去にも重大スキャンダルを経験しており、世論支持は短期的に揺らいでも長期的には比較的安定して推移してきた歴史がある。しかし王室の隠蔽があった場合、歴史的な安定パターンが崩れる恐れがある。王族といえども特別扱いが許される時代ではなくなった。

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