Jekaterina Golubkova Pavel Polityuk

[15日 ロイター] - ウクライナの首都キーウに対するロシア軍の大規模空爆により、4人が死亡、30人が負傷した。ウクライナの精神的・文化的歴史を象徴するキーウ・ペチェールシク大修道院では火災が起きた。キーウへの空爆としては過去2週間で最大規模となった。地元当局が15日に明らかにした。

ゼレンスキー大統領は14日、フランスで今週開催される主要7カ国(G7)首脳会議を前に、ロシアとの紛争終結に向けた取り組みについてトランプ米大統領と電話で協議したと明らかにしていた。nL6N42M0BT

1051年に創建され、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されている市中心部のキーウ・ペチェールシク大修道院は、直撃を受けて深刻な被害が出た。キーウの軍事行政責任者ティムール・トカチェンコ氏がテレグラムへの投稿で明らかにした。

ゼレンスキー氏はXへの投稿で「ロシアによるキーウ・ペチェールシク大修道院への攻撃により、生神女就寝大聖堂が炎上した。11世紀にまでさかのぼる歴史を持つ聖堂だ。キリスト教文化に対するロシアによる最も深刻な犯罪の一つだ」と非難した。

修道院から高く炎が立ち上る中、住民は地下に避難した。今回はウクライナに対するロシアの攻撃としては、ドローン(無人機)とミサイルで20人以上が死亡、100人以上が負傷した今月初め以来最悪の事態となった。

キーウ当局によると、ドローンとミサイルが複数の高層アパートを直撃し、送電線が損傷して約14万人が停電に見舞われた。当局はその後、ほとんどの世帯で電力が復旧したとしている。

ウクライナ軍は15日朝、ロシアが夜間にウクライナに向けてミサイル70発とドローン611機を発射し、防空部隊が各種のミサイル50発とドローン582機を撃墜したと発表。報道官は国営テレビで「弾道ミサイルは依然としてわれわれにとっての問題だ。発射された34発の弾道ミサイルのうち、撃墜できたのは15発のみだったが、それでも大きな成果だ」と語った。

ウクライナ正教会のトップ、エピファニー府主教はXに「ウクライナと平和に対するロシアのテロに終止符を打つため、断固たる行動を取らねばならないと世界が認識するために、クレムリン(ロシア大統領府)の反キリストはこれ以上何をすればよいのか」と投稿した。

隣国ポーランドの軍は、領空侵犯の可能性に備えて戦闘機を緊急発進させたが、その後、領空侵犯は確認されなかったとして警戒態勢を解除した。Xへの投稿で明らかにした。

ウクライナのシビハ外相は修道院への攻撃を受け、Xに「この国家による野蛮行為に対し、即座かつ適切な対応」を確保するため、ユネスコやその他国際的メカニズムにおいて手続きを「早急に開始する」と述べた。エストニアのツァフクナ外相もロシアの攻撃を非難した。

<ウクライナ各地やロシア中部にも攻撃>

15日未明にはウクライナの大部分の地域に空襲警報が出された。両国が攻撃の応酬を続ける中、ロシア上空ではウクライナのドローンが迎撃された。

ウクライナのクリメンコ内相によると、ウクライナ第2の都市ハルキウもロシアの攻撃を受け、緊急サービスの救助隊員4人と自治体職員1人が死亡、少なくとも5人が負傷した。地元当局のソーシャルメディアへの投稿によると、スムイでは子ども1人を含む3人が負傷した。

ロシアとウクライナはいずれも、民間人に対する意図的な攻撃を否定している。ロイターはこれらの報告を独自に確認できなかった。

ウクライナは最近、ロシアの産業・エネルギー施設への攻撃を強化している。ロシア政府の収入を断ち、戦争終結を早めようとする狙いがある。

ロシアではモスクワ南方の工業都市トゥーラへのドローン攻撃で3人が死亡し、1歳児を含む3人が負傷したと、地元州知事が明らかにした。

またウクライナは夜間に、2014年にロシアに併合され、既に燃料危機に直面しているクリミア半島へのさらなる物資供給を遮断するため、半島とロシア支配地域とを結ぶ2つの橋を攻撃した。

ゼレンスキー氏は今月、米国と欧州を関与させた停戦案について、ロシアのプーチン大統領との直接協議を提案していた。英国、ドイツ、フランスはこれを支持したが、プーチン氏は拒否した。

ロシア大統領府によると、トランプ氏は14日、ロシアのプーチン大統領と電話協議し、ウクライナ紛争の終結が極めて重要であり、実現に向けて支援する用意があると伝えたという。nL6N42M0CE

米当局者や仲介者は中東紛争への対応に集中しており、ウクライナの和平合意に向けた進展は遅れている。

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