Shashwat Chauhan

[13日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXが12日に2兆ドルを超える時価総額で市場に華々しく登場した。同社の時価総額が米株式市場の既存の超巨大7銘柄、いわゆる「マグニフィセント・セブン(マグ7)」のうちの2社を上回ったことで浮上したのが、マグ7という名称は今も適切なのか、もしそうでないなら何に置き換えるべきかという重要な問題だ。

米国史上最大となった今回の新規株式公開(IPO)によって、スペースXの価値はマグ7を構成するマスク氏が経営トップを務めるもう1つの企業のテスラと、メタ・プラットフォームズの2社を追い抜いた。さらにアナリストらの話では、オープンAIやアンソロピックといった評価額1兆ドル規模の企業もIPOを控えているため、マグ7は間もなく名称変更を迫られる可能性が高まっている。

フューチュラム・エクイティーズのチーフ市場ストラテジスト、シャイ・ボルール氏は、スペースXの登場で「市場のリーダーシップを指す明快な略称としてマグ7を使い続けるのは非常に難しくなる。なぜなら、世界で最も重要な企業の1つが即座にそのラベルの外側に置かれることになるからだ」と指摘する。

マグ7などのグループ分けは正式な市場カテゴリーではなく、ある時点での最も注目される大型株を捉えるために、ストラテジストや投資家、メディアによって考案された呼称。その歴史は古く、1960年代から70年代の「ニフティ・フィフティ」から、1990年代後半のITバブル時における「フォー・ホースメン(黙示録の四騎士)」にまで及ぶ。

そうした中でスペースXの上場は、次の洗練されたアクロニム(略語)を考案する競争に火をつけた。

Xで注目を集めている名称の1つが「MANGOS」。これはメタのM、アンソロピックのA、エヌビディアのN、アルファベット子会社グーグルのG、オープンAIのO、そしてスペースXのSというそれぞれの頭文字を取ったものだ。まだこのグループ分けは決して標準化されたわけではなく、「A」を現在米国上場企業で時価総額第3位のアップルと解釈する向きもある。

ただ上場投資信託(ETF)の展開を支援するタイダル・フィナンシャル・グループの製品開発担当シニアバイスプレジデント、アガ・クプリンスカ氏は「われわれは既に社内でそのように呼んでおり、業界でも広まりつつある」と語った。

BRIウェルス・マネジメントのダン・ボードマン・ウェストン最高経営責任者(CEO)は別の呼び名、マグ7にスペースXとオープンAI、アンソロピックを加えた「マグナ・アトムズ(Magna・Atoms)」を提唱している。

マグ7はエヌビディア、アップル、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ、テスラ、マイクロソフトの巨大テック7銘柄を指す言葉として、2023年末にBofAグローバル・リサーチのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏が生み出した。

それでも人工知能(AI)が株式市場を史上最高値へと押し上げ、新たな1兆ドル企業が突如として表れる環境において、企業価値ランキングは常に流動的な状態に置かれる。

BofAは5月22日付のノートで、過去1年の半導体株上昇を反映し、元の7社にブロードコム、マイクロン・テクノロジー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)を加えた「AIビッグ10」に言及した。LSEGのデータに基づくと、このグループはS&P総合500種におけるウエートが40%を超える。

実際このような呼び名は「FANG」から「FAANG」、さらにマグ7へと、市場をけん引する企業の変遷を追うように進化してきた。

FANGはフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルで構成。FAANGはこれにアップルを加え、マグ7ではネットフリックスを除外する一方でマイクロソフト、エヌビディア、テスラが加わるなど、それぞれの変化は市場のトップにおける交代を反映している。

クルー・アドバイザーズのダスティン・サッカリー最高投資責任者は「マグ7は数年前からの呼称で、市場は恐らく何か新しいものを期待しているのだろう」と述べた。

もっとも古いラベルが完全に姿を消すと考えている人ばかりではない。

ラウンドヒル・インベストメンツのデイブ・マッツァCEOは「マグ7の呼び名がなくなることはない。それは投資家やメディアが大型ハイテク株のリーダーシップをどうみるかにおいて、あまりにも深く定着している。恐らく今後目にするのは置き換えではなく、付け加えられる形での呼称だろう」とみている。

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