Tamiyuki Kihara

[東京 15日 ロイター] - 米国とイランが和平合意に至ったことを受け、日本の政府内では利上げ継続を模索する日銀の金融政策に一定の影響が出る可能性を指摘する声などが聞かれた。「高市(早苗)首相は賭けに勝った」とし、物価高への懸念が払しょくされれば、同政権が再び財政拡大路線を強めるとの見方も出た。

経済政策に関わる日本政府関係者の一人は和平合意の一報を受けた15日朝、ロイターの取材に「合意がインフレ圧力にどう影響するかが重要だ」と話した。和平合意を機に日銀が直ちに金融政策を変更することにはならないだろう、とした上で、「今後に向けたメッセージをどう発信するかは検討しなければならないだろう」と指摘。タカ派的な方針が修正される可能性があると語った。

加えて、16日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)の結論も注視すべきだとし、「合意を受けて、日米双方の金融政策が年末に向けて変わってくる可能性がある」と述べた。イランの復興への協力など、日本企業が復興事業に参画する機会が生まれれば、日本経済にとっては追い風になり得る、とも述べた。

財政政策に精通する別の関係者は、「高市首相は『賭け』に勝った」と述べた。政府は3月以降、ガソリン代の補助を含めた物価高対策に追われてきた。石油由来製品のナフサ不足が指摘されたが、政府は「必要量は確保されている」と繰り返し、大掛かりな節約の呼びかけは控えてきた。

政府・与党内には高市氏の政策やメッセージ発信の方向性を疑問視する声もあったが、同関係者は「政権にとっての最大のリスクが解消された。大きなハードルを越えたことになる。支持率がまた上がるだろう」と述べた。

一方で、エネルギー価格高騰に伴う物価高の懸念が払しょくされることになれば、高市氏は「責任ある積極財政」の実現に向けて再び財政拡張路線を強めることも考えられる、とこの関係者は付け加えた。「合意は世界にとってはもちろんグッドニュースだ。今後は、高市氏や周辺が消費減税を含めた日本の政策をどの方向に導こうとするかが問われている」

(鬼原民幸 編集:久保信博)

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