Andy Bruce Suban Abdulla
[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した4月の国内総生産(GDP)は前月比0.1%減となり、昨年8月以来のマイナス成長を記録した。イラン戦争の影響でF1自動車レースなどペルシャ湾岸地域でのスポーツイベントが中止となり、英国の娯楽産業が打撃を受けた。
今回のデータでイラン戦争が英国の経済成長に及ぼした影響が明確に示された。
4月のサービス部門の生産は前月比0.2%減少した。管理・支援サービス、芸術・娯楽・レクリエーション部門が押し下げ要因となった。
ONSの担当者は、中東でのスポーツイベントの中止が関連する英企業に打撃を与えたとの報告があると述べた。戦争の勃発を受け、4月に開催予定だったF1のバーレーンとサウジアラビアでのレースが中止となったほか、テニスやサッカーのイベントも取りやめとなった。
RSMのチーフエコノミスト、トーマス・ピュー氏は先行きは一段と悪化する見通しだと述べた。「エネルギー価格と借入コストの上昇に、政治的不確実性の再燃が重なり、年内の経済成長はほぼ停滞する公算が大きい」と指摘。今回のデータによって、イングランド銀行(英中央銀行)が来週の金融政策委員会で金利を据え置くとの見方が強まったと語った。
投資家は今回の統計にほとんど反応せず、ポンドは小動きとなった。金融市場が今月の利上げを織り込む確率は依然として低く、11月に1回の利上げを完全に織り込んでいる。
リーブス財務相はイランでの戦争は経済に影響を与えるものの、自身の計画は正しいものだと述べた。
一方、製造業生産は前月比0.4%増加した。医薬品生産の伸びに支えられた。建設業の生産も小幅に増加した。
2─4月のGDPは0.7%増加し、エコノミストの予想と一致した。
別途発表された貿易統計によると、4月の燃料輸入が71億ポンド(95億2000万ドル)に急増し、3年ぶりの高水準となった。戦争勃発に伴う原油価格の高騰と、英国の輸入エネルギーへの高い依存度を反映する形となった。