[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、トランプ米大統領がイランとの協議が進展していることを踏まえ、この日の夜に予定していたイランに対する攻撃を中止すると表明したことを受け、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対し下落した。
トランプ氏は朝の時点では、この日の夜にイランを「極めて強力に攻撃する」と表明し、イランの原油インフラの拠点であるカーグ島を掌握する考えを示していたが、午後になり、イランとの協議がイラン最高指導部レベルに引き上げられ、「協議および最終的な事項」が承認されたことなどを踏まえ、攻撃を中止したと明らかにした。
トランプ氏はその後、イラン問題を巡り「素晴らしい合意」が成立したとし、早ければ今週末にも欧州で署名される可能性があると表明。数日中に最終合意に達する可能性があるとし、署名式にはバンス副大統領が出席すると明らかにした。これについて、イラン準国営のファルス通信は、イラン側は正式な回答を行っていないものの、この合意を承認する公算が大きいと報じている。
ドルは地政学的緊張が高まる局面で「有事の買い」が入り上昇する傾向があるが、和平への観測が強まると下落する傾向がある。
マネックスUSAのトレーディング責任者フアン・ペレス氏は「事態のエスカレーションがデエスカレーションにつながるというパターンに市場は慣れてきている」とし、「こうした背景が為替相場に反映されている」と指摘。「攻撃が長期化する可能性が高まればドルにとっては大きなプラス材料になる一方、和平合意で事態が急速に収束する可能性が意識されれば、株式などのリスク資産への選好が高まり、ドル相場に下押し圧力がかかる」と述べた。
バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「きょうもまた取引時間中にトランプ大統領がイランへの攻撃を示唆した後に撤回し、『和平は目前だ』などと発言した」とし、「こうした場合、市場ではリスク選好度が高まる」と指摘。「株式などのリスク資産に買いが入り、ドルが売られる展開になる」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.41%安の99.64と、約1週間ぶりの安値近辺。
円は対ドルで0.49%高の159.73円。ただ、政府・日銀による為替介入が警戒される領域にとどまっている。
ユーロ/ドルは0.42%高の1.15820ドル。欧州中央銀行(ECB)はこの日、政策金利である中銀預金金利を0.25%ポイント引き上げ、2.25%とした。利上げは2023年9月以来、約3年ぶりだった。
米連邦準備理事会(FRB)は16─17日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定するとの見方が大勢になっている。
ドル/円 NY終値 159.92/159.96
始値 160.52
高値 160.59
安値 159.65
ユーロ/ドル NY終値 1.1577/1.1581
始値 1.1531
高値 1.1589
安値 1.1504