わたし自身も、10代から母親とは不仲でした。そんな母親が終末期になり、自分が主治医となって見送りました。その経験をお伝えすることで、楽になる方が少なくないだろうなと思ったのが、本書を執筆するきっかけですね。

いくら親でも、厄介なものは厄介です。相性の問題もあるでしょう。私は四人姉妹のなかで、母と一番よく似ています。やや苛烈な性質の持ち主なんです。とはいえ、母は明るく好奇心旺盛で、楽しい人でもありました。著書では「毒親」と書いていますが、「困った親」ではあるものの、毒親というのはちょっとまた違うかなと思っています。とにかく困った人ではありましたが。

それに、わたしと妹の英子とでは、同じ娘でありながら、母に対して持っている印象が異なっているんだなと、妹のエッセイを読んだ時に感じましたね。

姉妹で異なる母親の姿:「度を超えたええかっこしい」な母

──尾崎英子さんの著書『母の旅立ち』は、底抜けに明るいトラブルメーカーの母に、がんの脳転移が見つかったところから始まります。残された時間は1ヶ月、怒涛のような日々を笑いあり、涙ありで綴られたエッセイです。尾崎さんにとって、お母さま、淑子さんはどのような方だったのでしょうか。

尾崎: ひとことで言うと「度を超えたええかっこしい」でしょうか。あまり深く考えずに、誰にでも手を差し伸べてしまうところがあったと思います。『母の旅立ち』にくわしく書いていますが、母は昔から金銭トラブルを抱える人でした。詐欺師の『友達』に頼まれて大金を貸すことがありました。それも一度や二度ではありません。

医師としての葛藤は?
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