Mrinmay Dey Kate Abnett

[11日 ロイター] - 欧州連合(EU)は11日未明、新たな炭素市場「ETS2」の価格急騰を抑制するため、より強力な措置を講じることで合意した。排出削減策が消費者の燃料費を押し上げかねないとの加盟国政府の懸念に対応した。

欧州議会の声明によると、EU加盟国と欧州議会は、新たな炭素市場での排出枠の価格が二酸化炭素(CO2)1トン当たり45ユーロ(52ドル)を超えた場合、供給調整のための「市場安定化リザーブ」から4000万単位の排出枠を市場に放出することで合意した。従来の2000万単位から引き上げられた。

この追加供給は年2回まで発動可能で、年間で計8000万単位の排出枠を追加で市場に供給する。準備の仕組みは2030年に終了するのではなく、同年以降も延長される。

また、急激な供給変化による価格の大幅な変動を避けるため、市場安定化リザーブからの排出枠の放出をより段階的にすることでも合意した。従来は市場の排出枠が2億1000万単位を下回った場合に1億単位を放出するとしていたが、2億6000万単位を下回った時点でより少量の放出を順次開始する方針に改めた。

ETS2として知られるEUの第2の排出量取引制度は、電気自動車(EV)やより環境に優しい家庭用暖房システムへの移行を促すため、暖房・輸送用燃料が排出されるCO2に対し価格を課す仕組みで、28年から導入される。

燃料の供給業者と流通業者は、自らの排出量を賄うためETS2市場でCO2排出枠を購入することが義務付けられる。この制度による収益は、光熱費の支払いやEV購入、省エネ住宅改修への支援に充てられる。

ETS2の価格を抑制する規制強化策が導入された背景には、フランスやチェコなどの警告がある。これらの国は新制度が消費者の燃料費を押し上げると受け止められれば、気候変動対策への反発を招きかねないと警告していた。

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