Tristan Veyet Helen Reid
[10日 ロイター] - 英富豪マイク・アシュリー氏が経営支配権を持つ小売り大手のフレーザーズ・グループは10日、苦境に立たされているドイツのファッションブランド「ヒューゴ・ボス」に対し、20億ユーロ(23億1000万ドル)の買収案を提示した。
ヒューゴ・ボスの株式26.06%を保有する筆頭株主のフレーザーズは、残りの株式を1株当たり38ユーロの現金で買い取るとしている。ヒューゴ・ボス株の10日終値に4.3%のプレミアムを乗せた水準だ。
売上高減少に苦しむヒューゴ・ボスは半年前に店舗の刷新、製品ラインアップの合理化、女性用ウエアの拡充を目的とした新戦略を打ち出したが、株価は3年前の約半値の水準で取引されている。
フレーザーズは声明で「フレーザーズによるヒューゴ・ボスへのさらなる投資を促進するため、当社が直接保有していない全てのヒューゴ・ボス株式を対象に、全てのヒューゴ・ボス株主に対して自発的な公開買い付け(TOB)を行うことを決定した」と述べた。
ヒューゴ・ボスは10日、フレーザーズ側からこの買収提案に関する事前の調整はなかったとした上で、提案を取締役会で検討すると明らかにした。この提案でヒューゴ・ボスのTOB対象株(残り73.94%相当)は約19億8000万ユーロと評価されている。
フレーザーズは、ヒューゴ・ボスのダニエル・グリーダー最高経営責任者(CEO)とステファン・シュトルム会長を引き続き支持すると表明した。昨年11月にシュトルム会長への不信任を表明していたフレーザーズにとっては方針転換となる。
またヒューゴ・ボスの監査役会メンバーも務めるフレーザーズのマイケル・マレーCEOは、買収提案に関する取締役会の議論や決定には参加しなかったという。
フレーザーズ・グループの株式73.7%を保有するアシュリー氏は2022年に取締役を退任し、自身の娘婿であるマレー氏にCEOの座を譲った。