Nicole Jao Tom Polansek
[ニューヨーク/シカゴ 9日 ロイター] - 米中西部の農業地帯では、2月末に始まった中東紛争に伴うディーゼル油価格の高騰がトウモロコシや大豆の農家を直撃している。相次ぐ干ばつや生産資材の高騰、穀物価格の低迷により、農家の利益率は4年連続で縮小していたが、農作業に不可欠な燃料の値上がりがさらなる追い打ちをかけた。
5月の種まき時期と重なる形で、ウィスコンシン州やインディアナ州など中西部の各州ではディーゼル油価格が過去最高を更新した。全米平均価格は紛争勃発以降で40%余り上昇している。米国の農機はディーゼル専用機が大半を占め、他の燃料への切り替えが困難なため、価格変動の影響を極めて受けやすい。
調査会社の試算によると、燃料費が総投入コストに占める割合は従来の3─4%から5─6%に上昇し、1エーカー当たりの燃料コストは平均20ドルから30ドルへ増える可能性がある。一方で穀物価格は下落しており、収益環境は悪化の一途をたどっている。
苦境に立つ農家は、燃料節約のために耕起(こうき)作業を制限したり、上昇する輸送運賃を受け入れたりと、赤字を覚悟した対応を迫られている。
専門家は、ホルムズ海峡の封鎖などによる世界的な供給混乱が続けば、燃料価格は一段と上昇する恐れがあると警告する。米国内の留出油在庫は23年ぶりの低水準にあり、米国とイランの交渉の行方次第では、このところの価格下落の動きが瞬時に反転しかねない不透明な情勢が続いている。