肥育牛数の再建には時間
牛肉価格の高騰は、米中間選挙を前に家計の購買力を巡る政治問題となった。トランプ大統領は肉牛生産者に値下げを迫り、司法省に食肉加工大手の調査を命じ、さらにアルゼンチンから関税の低い牛肉輸入を許可することで対処しようとしてきた。だが、価格を引き下げるために効果があるのは米国内の肉牛の飼育頭数を増やすことだ。
米国の食肉加工業者は牛肉の生産量を増やして価格を抑えるために米国内の肥育牛の増加を待っているが、この過程は少なくとも2年を要する。
生産者によると、トランプ大統領がアルゼンチンから関税の低い牛肉の輸入拡大を推し進めたために、自分たちが肥育牛を再び増やす意欲が低下したという。この措置は米国内の牧場主を怒らせたが、小売価格の引き下げには至っていない。
生産者はまた、干ばつによるリスクや、将来的な利益の見通しが立たないことを懸念し、生産拡大に対して極めて消極的になっている。
メキシコの生産者が利益を享受
牧場主のエンリケ・ガルシア氏はメキシコ国内で事業を拡大している多くの牛肉生産者の一人だ。
彼はかつて年間約900頭の生体牛を米カンザス州へ輸出していたが、4年前に事業を多角化するために小規模な肉牛の肥育を始めた。ガルシア氏によると、米国の国境封鎖がこの移行を加速させ、彼の収入を8―10%押し上げたという。
ラセンウジバエは今や米国内で確認されており、国境がすぐに再開される可能性は低い。ガルシア氏は今週、こうした状況が自身の牛肉生産事業をさらに拡大する後押しとなっていると語った。「最終的にはこれまでと同じように、米国へ牛を届けることになる。ただ、今度は生体ではなく『肉』の形になるだろう」