Gabriel Araujo Luciana Magalhaes Rajesh Kumar Singh Allison Lampert
[リオデジャネイロ 7日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)が7日の年次総会で公表した2026年報告書によると、世界の航空業界の利益見通しがほぼ半減した。中東での紛争が燃料費を押し上げ、主要な航空路を寸断し、利幅が小さい状態で運営されている業界の脆弱性が露呈した。
世界の航空交通量の約85%を占める370余りの航空会社が加盟するIATAは報告書で、今年の業界全体の純利益を230億ドルと予想。従来の約410億ドルを大幅に下回り、昨年の450億ドルからも減少することになる。
旅客需要は堅調で搭乗率も高く、収入は前年比9.4%増の1兆1600億ドルに膨らむと見込まれるものの、地政学的ショックや燃料価格の変動に痛手を受けやすい各社の収益構造が鮮明になった。
IATAのウォルシュ事務局長は利益見通しの引き下げについて「2つの大きな要因がある。1つはジェット燃料価格の大幅な上昇で、これは誰もが予想していた以上に高騰した。もう1つはペルシャ湾岸地域の航空会社にもたらされた混乱だ。この組み合わせにより、下方修正せざるを得なくなった」とロイターに語った。
ウォルシュ氏は燃料費高騰の打撃を受けて今年から来年にかけて一部の中小航空会社が破産するか、大手航空会社に買収されると予想している。米国の格安航空会社(LCC)スピリット航空は先月、中東紛争による最初の犠牲となった形で経営破綻した。
またウォルシュ氏は、航空会社は利益率を守るために不採算路線を廃止すると見込まれ、2月末の中東紛争開始以来急騰している運賃がすぐに下がる公算は乏しいと指摘。「需要が非常に堅調である一方で供給能力が低下する環境下では、運賃が高止まりする状況が続く」と付け加えた。
中東紛争を巡ってはエミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空などの湾岸諸国の航空会社が、紛争勃発時に地域の空域がほぼ完全に閉鎖されたことを受け、最大の運営上の不確実性に直面している。
ウォルシュ氏は、ほとんどの地域で利益は維持されるものの水準は低下し、中東の航空会社は戦闘と需要の減退により赤字に転落しそうだと警告した。
IATAは、航空会社の燃料費が昨年の約2520億ドルから、今年は約3500億ドルに急増すると想定しており、燃料費が営業費用の3分の1近くを占める格好になる。
これによって乗客1人当たりの収益性が低下し、航空会社が乗客1人当たりで得る利益は、昨年の約半分となる約4.50ドルにとどまる見通しだ。