Esa Alexander

[クラインモンド(南アフリカ) 4日 ロイター] - 南アフリカ西ケープ州の町クラインモンドで暮らすモザンビークからの移民のラド・アミドさん(49)は4日前、自宅のドアを叩く音を聞いて扉を開けた。外には怒った群衆がおり、「お前のような外国人は立ち去らなければならない」と告げられた。その群衆は一軒一軒を回り、同じメッセージを伝えて歩いていた。

恐ろしくなったアミドさんは逃げ出し、山の中で二晩を過ごした後、現在は地元の町役場に避難している。西ケープ州各地にいるマラウイやモザンビークからの他の移民たちと同様にアミドさんも、反移民を掲げる暴徒から隠れることを余儀なくされている。

南アではここ数週間、反移民の抗議活動の波が広がり、時には暴徒化している。モザンビーク政府によると、先週末には西ケープ州モッセルベイで起きた排外主義的な攻撃により、同国民5人が殺害された。

アミドさんが住むクラインモンドは、そのモッセルベイから約300キロ離れた場所にある。

2月から仕事を求めて南アに滞在するアミドさんは「5月31日に人々が私の家に来てドアを叩き、私の持ち物を全て持ち去っていった」と語った。

クラインモンドの町役場には、アミドさんとともに約100人の移民が身を寄せており、その中には自国政府が設けた自発的帰還プログラムへの参加を希望する者もいる。

<経済的苦境の責任負わされる移民>

南アにおいて排外主義的な攻撃は繰り返される問題で、高い失業率や犯罪といった経済的苦境の責任が移民に押し付けられるケースが少なくない。

こうした主張には何の証拠もないにもかかわらず、ほぼ全ての政党の政治家たちが、年末に控える地方選挙を前にポピュリズム(大衆迎合主義)的な票を獲得しようと、その主張を助長する傾向がある。

ラマポーザ大統領は2日に議会で「より安全で、より繁栄した社会を築くために、われわれは移住の課題に取り組む必要がある」と述べ、同時に最近の排外主義的な暴力を非難した。

クラインモンドの地元議会議員グラント・コーエン氏は、不法就労者がいないか、飲食店などの店舗をチェックするために、ここ数週間で入国管理当局が町を訪れていたと述べた。

しかしコーエン氏はロイターに、町役場に避難している移民の多くは合法的に滞在していると説明。「ここには学校に通うべき子供たちがいる。クラインモンドの学校に通っていたが、(今は)恐怖と脅迫から国を逃れたがっている。住民が自ら実力行使に出るべきではないと私は信じている」と心境を語った。

<武装した抗議者も>

マラウイ出身のマイケル・マークソンさん(31)は、5月30日に約1年間住んでいた簡易居住区から逃げ出した後、山の中で一晩過ごしたと明かす。

「大家が来て、避難したほうがいい、もし見つかったら殺されるぞ、と言われた」という。

翌日に友人の1人が雇い主に電話をかけ、森の中に隠れている彼らの元へ食料を届けてもらった。

マークソンさんは、町でナイフや棒を持っている人物を含む大勢の抗議者の群衆が見えるほど近くに隠れていたと話す。現在は帰国のための支援を待っているが、その費用を自力で賄うことはできない。

「母国の経済状況は良くない。だが、命が脅かされている地域社会で暮らすよりはましだ」と語った。

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