Kyu-seok Shim
[ソウル 4日 ロイター] - 北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は4日、金正恩朝鮮労働党総書記が新たに稼働した核物質生産施設を視察し、核兵器の「飛躍的」な増強を指示したと報じた。
金氏は兵器級核物質の生産能力が過去5年間で従来の2倍超に達したと述べ、長期的な戦略目標を達成するため生産量をさらに増やすよう当局者に指示した。
KCNAによると、金氏はより先進的な技術を取り入れた新たな生産工程について説明を受け、現在の生産目標や今後の計画について検討した。
安全保障上の脅威の悪化や敵対勢力との長期的な対立を踏まえ、こうした拡大が必要だとの認識を示し、核抑止力を継続的に強化していく方針を改めて示した。
国営メディアが公開した写真には、施設内の円筒形の装置が並ぶ通路を歩く金氏の姿が写っており、一部のアナリストは、この場所が同国の主要な核施設である寧辺にある可能性を示唆していると指摘した。
KCNAによると、同日には核戦力増強に関する重要会議も開かれ、金氏は核兵器の質・量両面の拡大を加速させるための指針を示した。
同氏は核戦力を「飛躍的」に強化する広範な計画を実行するための手順や安全措置の策定を含め、北朝鮮が「責任ある重要な決定」を下したと述べた。
その上で、北朝鮮は「核能力の前進に向けた画期的なマイルストーン(節目)を打ち立てた」と述べた。
<習氏訪朝の可能性>
韓国合同参謀本部の当局者はソウルでのブリーフィングで、北朝鮮が4日に公開した核施設はウラン濃縮施設であると述べた。
北朝鮮専門サイト「NKニュース」の創設者チャド・オキャロル氏は、今回の視察は中国の習近平国家主席による平壌訪問の可能性と関連している可能性があると指摘。金氏が2025年9月に北京を訪問する前に、新型大陸間弾道ミサイル「火星20」の計画を視察していたことに言及した。
オキャロル氏は「中国との接触を目前に控えて、非核化が絶対に不可能であることを示すことにある」と述べた。
韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチョル教授も、金氏による今回の視察を、韓国による原子力潜水艦計画や、ウラン濃縮の権利を巡る米国との協議と関連付けた。北朝鮮がこれらを、兵器開発加速を正当化する口実として利用している可能性があるという。