アメリカの風刺ニュースサイト「ザ・オニオン」は、長年、社会のトレンドをちゃかしたり、政治家を辛辣に皮肉ったりすることで、その根底にあるばかばかしさ(と真実)を浮き彫りにする独特のメディアだ。知的な記事と、あきれるほどくだらない記事が混在したサイトは、愛読者の間で根強い人気を誇る。

そのザ・オニオンが2024年、陰謀論サイト「インフォウォーズ」を買い取り、フェイクニュースに「誠実さ」をもたらすと発表したときは、誰もが仰天したものだ。インフォウォーズといえば、ネット上でも指折りの悪質な陰謀論やフェイクニュースを大量にまき散らしてきたサイトだ。そんなメディアを、なぜザ・オニオンが手に入れるのか。


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極右のラジオ番組司会者アレックス・ジョーンズが、インフォウォーズを立ち上げたのは1999年のこと。自分の偏った思い込みを真実だと言い張り、ニュースの解説を装って、次から次へと嘘を発信した。

インフォウォーズの影響力がピークに達したのは、16年の米大統領選でドナルド・トランプ候補(現大統領)の主張の拡声器の役割を果たしてからだ。そのまま1期目のトランプ政権を支え、20年大統領選でトランプが敗北すると、ジョーンズは早速陰謀だと主張した。

それでも熱狂的支持者の心をがっちりつかんできたジョーンズがつまずくきっかけになったのは、12年のサンディフック小学校銃乱射事件について陰謀論を唱えたことだった。

笑いものにしている場合か

児童20人を含む26人が命を落とした惨劇を、ジョーンズは「銃規制論者によるでっち上げ」で「死者などいない」と主張。このため遺族などから名誉毀損で訴えられ、損害賠償金14億ドルの支払いを命じられた。

このためジョーンズと、インフォウォーズの親会社フリースピーチ・システムズは破産法の適用を申請。インフォウォーズのサイトと商標などの知的財産権は競売にかけられた。それをザ・オニオン(厳密にはその親会社)が落札したというわけだ。

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【note限定公開記事】フェイクニュースの温床を「笑い」に変えるという賭け...陰謀論サイトを買い取った風刺メディアの危険な挑戦

 

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