担当者は民主化運動を知らなかった?
もともと韓国スターバックスは従来から月曜日にプロモーションを行っており、タンクデーは5・18民主化運動記念日と重なったに過ぎない。「タンク」は給水タンクを意味する商品名で、「机にぽん!」も5月20日に予定していたナス・タンブラーのキャッチコピー「カバンにすっぽり」の対句表現だという。
また、韓国スターバックスのマーケティング担当は20代から30代で民主化運動を経験していない。保守系メディアの朝鮮日報は、実務担当者が5月18日が光州民主化運動記念日と重なることを認識せずに企画を進め、担当者からチーム長、本部長、理事という4段階の決裁でも気づかないまま決裁、不適切なキャンペーンを行なった点は問題があるとする一方、従業員が罵倒を受けるほどの問題ではなく、まして大統領や閣僚、与党が一斉に攻撃する問題ではないと論じている。
今回の騒動が政治的な火種となっている背景には、6月3日に予定される統一地方選挙がある。李在明政権が発足して初めての全国規模の大型選挙となる今回の地方選は、発足1年の政権の先行きに影響する可能性があるとされ、与野党ともに支持層の結集に躍起だ。コーヒー1杯を選ぶ行為さえ「革新か保守か」を問う踏み絵となりつつある今の韓国では、スターバックスはその象徴となってしまった。
鄭会長が謝罪会見で触れた通り、こうした状況で最も傷つくのは、非難の矢面に立たされているスターバックスの従業員たちだ。マーケティング上のミスを契機に政治対立が燃え上がり、現場の店員が板挟みになる。保守と革新の深刻な分断が続く中で、何より優先されるべきはその従業員を守ることであり、それこそが政府与党の責務ではないだろうか。
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