[ロンドン 1日 ロイター] - イングランド銀行(BOE、英中央銀行)のベイリー総裁は、公的部門の賃金上昇ペースが民間部門より急速な状況が続いていることについて、物価上昇圧力の源になりかねないとして注視していると語った。1日付英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が掲載したインタビューにおける発言。

BOEは歴史的には、経済状況に迅速に反応し、企業による価格転嫁につながりやすい民間部門の賃金動向をより重視してきた。

ただ賞与を除く公的部門の賃金は、直近12カ月連続で前年比の伸びが民間部門を上回っており、これは2021年以来で最長の記録だ。

ベイリー氏は「民間部門の賃金と公的部門の賃金の間で乖離が広がっている」と指摘した。

その上で「伝統的に民間部門の賃金の方が企業活動に直接反映されると考え、そちらに重きを置いてきた。しかしこれほど乖離が広がると、その点(民間のみを重視すること)について疑念が生じ始める」と付け加えた。

今年第1・四半期の公的部門の賃金は前年同期比で4.8%増加したのに対して民間部門は3.0%増にとどまった。

一方ベイリー氏は英国債利回りの急上昇についても言及。政府の新規借り入れコストに近い10年国債利回りは2008年以来の高水準に達したが、この要因がスターマー首相の進退に対する懸念によるものではないとの見解を示した。

ベイリー氏は「国内の政治ニュースが市場に影響を与えた期間が1-2週間あったが、これが非常に大きな要因だったとは思わない」と語り、米国やドイツの利回りを超えるこの急上昇は、均衡の取れた財政の重要性を示していると強調。「市場からのメッセージを真摯に受け止めるべきだ。財政ルールは重要だ」と訴えた。

イランでの戦争の影響で利上げが必要になるかどうかを巡り、ベイリー氏は5月29日にBOEは様子見の姿勢を取る余裕があるとの見解を示していた。

FTのインタビューで、和平合意が成立すれば年内の利下げが再び検討課題に上がるかと質問されると、ベイリー氏はその合意に持続性があるかどうかが重要だと回答。「この事態が長引かないという、より強い確信を持つ必要がある」と語った。

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