日本企業に残された数少ない実効的な救済手段

日本は英国向けのような表向きの優遇税率を与えられていないが、この払戻し制度は、日本企業に残された数少ない実効的な救済手段の1つである。もっとも、それを活用するには、素材供給者まで含めた金属原産地証明や製造記録の管理が不可欠であり、サプライチェーン全体での文書管理能力が問われることになる。

122条の後を引き継ぐ2本柱のうち、第2の柱である301条は、米通商代表部(USTR)が外国政府の不公正な通商慣行を調査し、必要に応じて追加関税などの措置をとることを認める条文で、税率の上限や期限は設けられていない。

USTRは3月、2つの調査を開始した。1つは、16経済圏を対象とする「製造業の構造的過剰生産能力」に関するものであり、日本も対象に含まれている。もう1つは、60経済圏を対象とする「強制労働法執行の不備」に関するものである。

パブリックコメントは4月15日に締め切られ、公聴会は4月末から5月上旬にかけて実施された。USTRの通常の12カ月程度の工程に比べると、かなり圧縮された日程で動いている。政権が7月24日前後までに追加関税を課せる状態に持ち込もうとしている、という見方が出るのも無理はない。

301条調査の対象分野は広い。アルミニウム、自動車、バッテリー、化学品、エレクトロニクス、機械、半導体、船舶、太陽光モジュール、鉄鋼、輸送機器など、日本の主要輸出産業と重なる分野が多数含まれている。そのため日本企業は、232条による関税に加えて、301条による追加関税の可能性もあらかじめ織り込んでおく必要がある。

今後、USTRが肯定的認定と救済案を示した後には、通常、製品別の除外申請手続きが開かれる。その局面で重要になるのは、業界団体の一般論ではなく、企業ごとの製品情報、供給網、経済的影響に関する具体的記録だ。行政記録を作っていない企業は、後の救済申請で不利になりやすい。

医薬品分野も見落とせない。同じ4月2日の措置で、特許保護付き医薬品と原薬を対象とする232条措置が新設され、デフォルト税率100%、日本などに対する15%の国別税率などの枠組みが設けられた。

日本企業と日本政府が今後取るべき方向性とは?
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