議員たちも参戦

それでも事態は沈静化しなかった。鄭の過去の言動が、謝罪の説得力に疑問を抱かせたためだ。

鄭はSNSで「共産主義を打ち砕け」という意味合いを持つ「滅共」を繰り返しハッシュタグに使い、公然と反共主義を掲げてきた。市民団体は鄭と解任された前CEOを、「5.18民主化運動特別法」違反および名誉毀損の容疑でソウル警察庁に刑事告発した。
 

この論争は、急速に選挙絡みの政治闘争に発展。李在明(イ・ジェミョン)大統領は5月23日、「タンクデー」と2年前の別の販促企画を結び付けて批判した。

24年4月16日、スターバックス・コリアは「セイレン・クラシック・マグ」という新商品を発売したが、この日はセウォル号沈没事故から10年の追悼日だった。セイレンはスターバックス創業以来のロゴだが、船乗りを死へと誘う歌声を持つ海の精でもある。与党・共に民主党の丁秦旭(チョン・ジヌク)議員は、その日にセイレンを持ち出したのは意図的な挑発だと主張していた。

この騒動は企業の判断ミスや政党の政治利用を超えた問題をはらんでいる。そのタイミング自体、韓国社会の現実を浮き彫りにするものだった。

「タンクデー」批判に火が付く前には、光州民主化運動の精神を憲法前文に明記する憲法改正案が、6政党の支持を受けながら国会を通過できなかった。野党・国民の力党が採決をボイコットした結果、定足数に届かなかったためだ。

鄭成湖(チョン・ソンホ)法相は、もし改正案が可決されていれば、タンクデーのような企画はあり得なかっただろうと指摘した。

一方、右派勢力の一部からはスターバックスの販促企画を擁護する声が即座に上がった。さらに選挙で選ばれた議員たちも積極的にそれを拡散した。この事実は、全斗煥時代を再評価しようとする極右の動きが、ネットの匿名コメント欄だけに存在する現象ではないことを示している。

From thediplomat.com

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