12年続くインドのモディ政権に対し、オンライン上で過去最大規模とみられる抗議の動きが広がっている。きっかけとなったのは、若者をやゆする発言への風刺的な反論だった。一方で、この動きは創始者への殺害予告や、与党政治家からの強い反発も招いている。

急速に注目を集めているのは、アビジート・ディプケ氏(30)と、同氏が立ち上げたオンライン上の風刺運動「ゴキブリ人民党(CJP)」だ。「怠け者、失業者、そして常に正しい人々」を代表する存在だと称している。

インドでは、総人口14億2000万人のうち30歳未満が半数以上を占めるとされる。CJPの急拡大を支えるのは、こうした若者たちの不満だ。

政治アナリストらは、CJPの爆発的な人気が、モディ首相のイメージを損ない始めているとみている。モディ氏率いる与党インド人民党(BJP)は最近、重要な州選挙で勝利を収めたばかりだが、イラン戦争の影響による燃料価格の上昇やガス不足も重なり、国民の不満は広がっている。

「国や経済に問題がなければ、2000万人もの若者がこのような運動に集まることはなかったはずだ」と、2011年の反汚職運動で中心的な役割を担った政治活動家、ヨゲンドラ・ヤダブ氏は述べた。

「インド政治の現状を映し出す重要な瞬間だ。圧倒的支配を誇示する主張の下に、潜在的ながらも広範な不安が存在している」

75歳のモディ首相は、政府の汚職に対する大規模な街頭デモを背景に14年に政権を握って以来、同国の政治を圧倒的に支配してきた。多くの専門家は、モディ氏が反対勢力に簡単に譲歩するとはみていない。

それでも今回の動きは、若年層の高い失業率や、学生数百万人の将来を左右しかねない試験問題の漏えい事件が相次いでいることを背景に広がっている。これは、モディ政権が築いてきた「安定」と「統制」のイメージにひびが入りつつあることを示している。

反汚職運動の創設メンバーの1人で、著名な弁護士のプラシャント・ブーシャン氏は「(今は)若者らにとっては好機だが、慎重に進む必要がある」と話す。「前進したいのなら組織を作り、オンライン上で訴えてきた問題を掲げ、街頭で抗議活動を行う必要があるだろう」。

専門家や支持者らはこの運動について、現実の場で存在感を示せなければ失速しかねないとみている。与党BJPは、ヒンドゥー教徒の多くの支持を集めながら、着実に野党を弱体化させてきた。

批判派は、BJPが捜査機関を使って野党幹部に圧力をかけていると主張する。政府は他方、当局には汚職に対処するための自由裁量が与えられていると反論した。

上級閣僚のキレン・リジジュ氏は、CJPの「ゴキブリ」を冠した党名が「世界最大の民主主義」をおとしめていると批判。さらに「宿敵」の隣国パキスタンや「反インド勢力」からSNSのフォロワーを集めようとしていると非難した。

徹夜で投稿準備