竣工1年経っても事業目処が立たず
全羅南道霊光郡月坪村(チョンラナムドヨングァンぐんウォルピョンむら)は住民主導型の営農型太陽光発電モデルを導入した。28世帯の住民が56%の持分を保有する組合を設立して3MWの太陽光発電設備を建設し、毎月11万8000ウォンの「太陽光年金」を受給できる計画で、2025年5月に行われた竣工式には、道知事や郡守、産業通商部関係者など200人余りが出席。「全国最大商用化モデル」「農村所得革新」などと喧伝され、「第7回大韓民国ソーラーリーグ」で地方自治体普及成果部門気候エネルギー環境部長官賞を受賞した。
ところが、1期1MWが竣工して1年近く経った今も事業目処は立っていない。韓国電力公社(韓電)の送電線と連結できない状況が続いているのだ。
施工会社は「2022年発電事業許可当時、韓電から『2025年までに連係が可能』と聞いた」と話すが、電力購買契約の申請は24年7月だった。韓電は申請受付から3年以上を目安としており、22年に申請すれば25年中の送電線連結も可能だったが、その申請が遅かったのだ。
韓電はまた「全国的に老朽線路交替と新規連係申請が集中し、先着順に処理している」と説明する。さらに計画していた送電線の一部が、環境保全価値の最も高い生態自然度1等級に含まれることも判明しており、韓電は連結目処を29年6月と案内した。
送電網めぐり原発との競争も
韓国政府は今年1月、前政権が決定した原子力発電を計画通り推進すると明らかにした。与党・共に民主党は福島原発事故以降、脱原発を掲げてきた。なかでも2017年に就任した文在寅(ムン・ジェイン)政権は福島原発処理水の海洋放出反対と絡めて脱原発を推し進めたが、続く尹錫悦政権は原発を推進する決定を下している。
李在明(イ・ジェミョン)政権が発足すると共に民主党内から原発に対する慎重な意見が相次いだが、気候エネルギー環境部が行なった世論調査で国民の90%が「原発が必要」と回答、70%が建設に賛成した。
2022年に工事再開を決定し、2025年5月に着工した慶尚北道蔚珍郡北面の新ハンウル3号機は2032年、4号機は2033年の竣工を予定する。いずれも出力1400MWで、2基を合わせた発電量は驪州市九陽里の2800カ所分に相当する。
政府が掲げた「日光が収入になる村」構想は、韓電が2500カ所から1MWずつ購入することを意味している。これからはじまる年金事業は原発の稼働開始と重なることもあり、送電線連結に時間がかかればさらなる遅延が起きるだろう。第2、第3の月坪村が大量発生する可能性もありそうだ。
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