ペルシャ湾内ではホルムズ海峡の封鎖により船員2万人以上が船舶に閉じ込められ、過酷な環境下で恐怖におびえながら過ごしている。イランが海峡の管理権を主張する新たな地図を公表したことで、この試練はさらに長期化する恐れもある。

ペルシャ湾に取り残された船舶は約2000隻。船員2万人余りの多くは下船することもできず、食料や真水の供給も不十分だ。

ここ数週間、ロイターが取材した船員らは苦難と不安に満ちた体験を語った。船員を代表する連盟は、現地の状況は悲惨だと訴える。

インド人船員のサルマン・シディキ氏は先月、取り残された船内から電話で「ここで私たちがしていることと言えば、どうやって夜を過ごすかを計画し、攻撃に巻き込まれないよう神に祈ることだけだ」と語った。

孤立した生活

ロイターが22日の週、サウジアラビア沿岸に停泊中の船舶への補給船に同乗した際、あるタンカーの船員らが手すりに集まって手を振ってきた。彼らにとって外の世界と接触できるまれな瞬間だ。

3カ月近くもペルシャ湾に閉じ込められた船員らは、それぞれ少人数の仲間とともに、狭い居住空間、共同の食堂、灼熱のデッキを行き来するだけの孤立した生活を送っている。

2月28日、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始すると、イランは世界的な石油供給ルートであるホルムズ海峡を事実上封鎖した。和平交渉が停滞する中、イランは封鎖をさらに強化している。

イランがホルムズ海峡の通航要請を管理するために設置した「ペルシャ湾海峡庁」は20日、海峡両側の広大な海域に対するイランの領有権を改めて主張する地図を公表した。

船舶の脱出を求める船主は、イラン側が構築した迷宮のような支払い・許可制度をくぐり抜けなければならない。

泣きながら電話してきた船員も