「より良く読むために、書く」:本に救われてきた僕が背負う業(ごう)

あの時期にわたしを救ってくれたのは本でした。だから読むことが好きです。書くことを辞めたら、きっと読むことも嫌いになってしまうと直感で分かる。自分が書くことを諦めれば、その負い目から他人が書いたものを直視出来なくなってしまう。

誰かが書き、それを他の誰かが読む。文章を書き、それを読んでもらった経験があるわたしは、文章を巡る輪廻に組み込まれている。より良く書くために読むんじゃない。より良く読むために書いている感覚が強くあります。これは本に救われてきたわたしに課された業なのかもしれません。

皆様が文章を書きたい理由はなんでしょう。あなたが何故書くのかは知りようもないですが、少なくともわたしはまだこの先も書きます。あなたも書きましょう。解説をご依頼くださった編集者の方、そして著者である近藤康太郎さんには感謝しかありません。この依頼をいただいたとき、断ろうと思いました。あまりに恐れ多いと思ったし上手く書ける自信も無かったからです。しかし、熟慮の末に書かない選択肢はありませんでした。下手でも良い。書かねばならない。この本はわたしを書き手にしてくれた本だから。

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CEMH文庫『三行で撃つ』POP1

CEMH文庫『三行で撃つ』POP2

近藤康太郎(こんどう・こうたろう)

作家/評論家/百姓/猟師 1963年、東京・渋谷生まれ。1987年、朝日新聞社入社。川崎支局、学芸部、AERA編集部、ニューヨーク支局を経て、九州へ。新聞紙面では、コラム「多事奏論」「吉田純子と近藤康太郎の 音楽閑話」「アロハで猟師してみました」を担当する。

著書に『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾[増補版]』『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術[増補版]』『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』(CEメディアハウス)、『アロハで田植え、はじめました』『アロハで猟師、はじめました』(河出書房新社)、『「あらすじ」だけで人生の意味が全部わかる世界の古典13 』(講談社)他がある。

近藤康太郎『三行で撃つ』書影
『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章塾[増補版]』
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百冊で耕す[増補版] 書影 
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