姿を現したウクライナの長距離兵器
ウクライナによれば、5月16〜17日の攻撃には、国産の長距離ドローン3機種が使用された。FP-1ファイアポイント、RS-1バーズ、そしてこれまで知られていなかったバーズSM-グラディエーターだ。
標的には、モスクワ中心部から約29キロの場所にある半導体工場や、市中心部から約48キロの主要石油施設が含まれていたと、ウクライナ参謀本部は発表した。
FP-1は1450キロ超の深部攻撃向けに設計されており、約118キロの爆薬を搭載可能で、ウクライナの防衛企業ファイアポイント社が1機約5万ドルで生産している。
同社は、3000キロの長距離を飛行し、1150キロの弾頭を搭載可能なFP-5フラミンゴ巡航ミサイルも開発している。
フラミンゴの実戦での性能については、詳細を秘匿しているウクライナ側の姿勢もあり、外部アナリストはその信頼性評価に慎重だ。
それでも、方向性ははっきりしている。ウクライナは、米国の決断一つでウクライナの攻撃能力が左右される縛りから逃れるため、自前の長距離攻撃兵器群を手に入れようとしている。
ウクライナ当局は、安全保障上、最後に頼れるのは自国の防衛能力だとみなしている。
ウクライナが攻撃兵器の国産化を急いでいるのは、米国の関心がイランへ移っているためでもある。トランプがイラン攻撃に集中したことで、ウクライナとロシアの和平仲介の先行きは不透明になっている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領もこの現実を認めている。ウクライナ、ロシア、米国による三者会談が延期された後の3月、「パートナー諸国の優先順位と焦点はイラン情勢に向いている」と語った。