Takaya Yamaguchi
[東京 20日 ロイター] - 財務省が近く個人向け国債の拡充を検討する見通しであることが20日、分かった。インフレ連動型の物価連動債や、高利回りが期待できる超長期債を選択肢とする新商品の導入が視野にある。日銀が国債買い入れを減らす中、個人への販売を増やして国債の安定消化につなげる。
複数の関係筋が明らかにした。26日に国の債務管理に関する研究会を開催し、専門家を交えて販売促進策を協議する。
元本保証となる個人向け国債は、変動金利型の10年物と固定金利型の5年、3年物の3種類がある。低金利下では不人気だったが、金利上昇を背景に発行残高は増加傾向にある。
こうした状況に弾みを付けるため、金利設定や中途換金制限の見直しに加え、新商品の検討に着手する見通しだ。元本が物価に連動するものや満期が30年、20年物と長く、高利回りを得やすい商品などが念頭にある。
個人向け国債はこれまで個人に限定して販売してきた。12月募集分(2027年1月発行分)からは学校法人やマンション管理組合などに販路を拡大。これを機に、個人向け国債は「個人向け国債プラス」に改名する。
元本割れのリスクがある新窓販国債と一本化する案も出ている。財務省からのコメントは得られていない。
直近では、英国の内政不安やインフレ懸念が世界的な金利上昇に波及し、日本の長期金利も一時2.800%と、1997年5月以来29年ぶりの高水準を付ける場面があった。高市財政への不安も背景にある。
26年度に予定される国債発行総額180.7兆円のうち、市中での消化が大半を占め、個人向けは5.9兆円と、現状では全体の1割に満たない。2000兆円を超える家計の金融資産をどう取り込むかは、今後の財政運営を占う試金石となる。