イランは報復としてUAEなどへの攻撃も行っており、同国に集まっていた世界の投資マネーは、ここ1~2カ月の間に急ピッチで海外流出している。

この話はUAEが金融センターとして機能しなくなるという同国の問題だけにとどまらない。なぜならUAEから流出した大量のマネーに行き場がないという大きな問題が生じているからである。

グローバルにマネーを動かす投資家や金融機関にとって、分散してリスクを管理することは常識中の常識である。現時点において、世界で最も安全で魅力的な市場がアメリカであることは言うまでもないが、全てをアメリカに集中させることはできないため、分散対象となる市場の1つとしてUAEが選択されてきた。だがアメリカの世界戦略の転換によって、アメリカ市場の信頼性そのものが揺らぎ始めている。

アジアがもう1つの受け皿として台頭

結果として、多くの投資家が引き揚げた資金をアメリカに移すことができず、かといって確実に投資できる市場はそう多くない。大半がシンガポールや香港に流れている状況であり、これらは形を変えて中国本土や東南アジアに投資されつつある。つまりアメリカを中心に形成されてきた金融システムが新しい形にシフトし、アジアがもう1つの受け皿として台頭しつつある状況だ。

従来の日本はアメリカへの輸出で外貨を稼ぎ、アメリカに再投資するという資金循環となっていた。時代が変わり、日本にとって中国が最大の貿易相手国となる一方、高市政権は中国との対立を深めている。今回のイラン攻撃に対する外交姿勢からも明らかなように、日米協調路線がより鮮明になっており、新NISAにおける投資先の大半もアメリカである。世界の趨勢とは逆に、日本の対米依存はさらに高まったといえよう。
 

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