地域の医療行政が遠隔医療へ

在宅入院の成果は単なる体験談にとどまらない。24年9月のCMSの報告によれば、AHCAHイニシアチブを利用した患者の死亡率が低いことが示された。

同年6月には、早期退院後に在宅入院に切り替えた患者の死亡率が5%減少したとの分析結果が医学誌BMCメディスンに発表された。

退院後の30日間に限ってみても、在宅入院のメディケア支出は従来型の入院より有意に低いことが示された。OSFヘルスケアの在宅入院プログラムは一貫して満足度が「非常に高い」と、ムーツは語る。

ただし、決して万能なモデルではない。同居する介護者は自宅での安らぎとプライバシーを失う。彼らがケアの一部を担い、医療機器の状態を確認して薬を補充し、看護師のシフトを管理することも多いからだ。

オーガストの場合、看護師に関する事務手続きは地元の小児在宅医療機関が行ったが、新規スタッフの受け入れや契約終了の判断は母親のオレンスキーの役割だった。「日常のリズムは、自宅に出入りする全ての人たちと一体化する」と彼女は語る。

遠隔医療の普及には医療提供者の参加と理解という課題があると、ブルック・ヘルスのオーレン・ニッシム共同創業者兼CEOは言う。同社はプライマリーケア医(かかりつけ医)と提携し、AI(人工知能)支援技術を用いて患者の健康状態を遠隔監視する。

医師が新たな医療ケアの提供方法に慣れるまでに時間がかかることもあると、ニッシムは言う。

「技術的な問題は既にそれほど大きくない。むしろ医療提供者が日々の診療にうまく組み込めるかどうかだ。一方で、地域の医療行政が遠隔医療への移行を後押しする動きは広がっている」

異常があれば医療提供者が迅速に介入
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