舞台から映画まで、20年にわたるキャリアを築いてきたビリー・マグヌッセンは、トニー賞ノミネート経験もある実力派俳優だ。ドラマ『ジ・オーダシティ』(4月に米AMCで放送開始)では、テック業界の頂点に立つ男を演じている。俳優人生の集大成との思いに、本誌H・アラン・スコットが話を聞いた。
──本作はシリコンバレーを描いたドラマだと思われがちだが、実際のテーマは?
製作総指揮者のジョナサン・グラッツァーも強調するように、この作品は「オフィスもの」ではない。狭く奇妙な世界に生きる人々の物語で、彼らのたった1つのミスが73億人に影響を及ぼす。「自分はパーカーを着た普通の男だ」と言いたがる人々だが、そのパーカーは1万5000ドルもする。全然普通じゃない。
──テクノロジー企業CEOのダンカン・パークを演じている。戯画化せずに、どう役柄をつくり上げたのか。
誰もが本人の視点から見た物語の中では悪役ではない。自分こそ、ヒーローだと信じている。若い頃のイーロン・マスクやジェフ・ベゾスだって、当初は「世界をよりよくしてみせる」という理想があったはずだ。
ダンカンという人物も動機は純粋だったというところからつくり上げた。だが次第に、業界の論理や欲望にのみ込まれていく。倫理的に正しいことをしているか、巨額を稼ぎ続けるだけかという問いも。
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