検査や陰性証明の提示は求められる?
アルゼンチンが試合に勝ち続ければ、その後マイアミ、アトランタ、ニュージャージーで試合を行うことになる。
米チューレーン大学公衆衛生学部准教授のジョシュア・ユキッチ医師は本誌に対し、新型コロナウイルスの陰性証明が渡航やイベント参加に必要だったことはあるが、訪問者を検査しようとすることは「ほぼ想像しがたく、資源の大きな浪費」であると語った。同氏は、その資源を、強固な接触者追跡と、曝露または感染が判明している人々に対する適切な隔離措置に投入することを提案した。
注目が高まっているにもかかわらず、当局者は、状況は新型コロナウイルスのような呼吸器系パンデミックとは大きく異なると強調している。WHO当局者は、ハンタウイルスの広がり方は「大きく異なり」、同程度のパンデミックリスクをもたらすものではないと繰り返し述べている。
WHOの報道官タリク・ヤシャレビッチは本誌に対し「WHOは現在、ハンタウイルスの世界への感染拡大のリスクを低いと評価している。今後も疫学的状況を監視し、さらなる情報が得られ次第、リスク評価を更新していく」と語った。
ユキッチは、ハンタウイルスは稀であるため、W杯へ行く人々に関連する「意味のあるリスク」や、試合に向かうファンの間での「大規模な感染」が起こる可能性は低いと考えていると付け加えた。
アルゼンチンでは、保健当局が最近の感染例の増加について、その一因を気候変動に結びつけている。専門家によれば、気候変動はげっ歯類の生息域を広げ、人間の曝露を増やしている可能性がある。気温上昇や生態系の変化は、ウイルスを保有し得るげっ歯類の個体数急増につながる可能性がある。
現時点で、保健当局者はW杯が公衆衛生上の危機になることを強く懸念しているようには見えない。しかし、状況は変化し得ると強調している。
過去に世界が目にしてきたように、国際的な移動と大規模集会は健康上の脅威と交わり、より広範な感染拡大への懸念を引き起こし得るのだ。