アルゼンチンのハンタウイルス流行の現状
アルゼンチン保健省によると、アルゼンチンでは2025年6月以降、ハンタウイルスの感染確認事例数は前年同期比約2倍の101件。死者も32人報告されており、近年におけるハンタウイルスによる致死率としては最高水準の1つとなっている。
保健当局者によると、感染例はアルゼンチンの複数地域で確認されている。最近の感染者の最大割合を占めているのはブエノスアイレス州だ。
世界保健機関(WHO)によると、主にアルゼンチンとチリで見つかるアンデスウイルス株は、限定的なヒトからヒトへの感染が可能な唯一のハンタウイルスであるため、特に懸念を集めている。
感染拡大防止を困難にしているのは、このウイルスの潜伏期間が長いことだ。感染者は数週間にわたり症状を示さない可能性もあり、同居する家族や、飛行機内のような近距離で接触する人々に、知らないうちに感染させている可能性がある。WHOはすでに、クルーズ船で体調を崩し、その後南アフリカへ渡航した女性と同じ便に乗っていた乗客について、接触者追跡を実施している。
ワシントン大学パンデミック対策アライアンスの共同ディレクターであるピーター・ラビノウィッツ医師は本誌に対し、アルゼンチンでの大多数の感染例は、感染したげっ歯類の尿や糞に接触した人々によるものだと語った。
広範なヒトからヒトへの感染ではなく、より大規模な流行のリスクが低いことを意味するため、よいニュースであるとしつつも、現在起きているパンデミックについて啓発活動が必要だと訴えた。
「現在感染例が報告されているアルゼンチンとその周辺地域で、この病気に関する認識を高め続けることも重要だ。げっ歯類との接触を避けること、症状に注意することについて市民に知ってもらう必要がある」