バルト三国のラトビアの国防相が辞任した。先週、ロシアを標的としたウクライナ製ドローン2機がNATO加盟国のラトビアに侵入し、そのうち1機が同国東部の燃料貯蔵施設に墜落、空の石油タンク数基が損傷を受けた。
この事件は、ロシア・ウクライナ戦争によるドローンがNATO領内に流入した最新の事例となった。戦争におけるドローンの役割が拡大する一方で、欧州やNATO諸国の軍隊は大量投入されるドローンへの対処能力が不十分で、防空体制の弱点が露呈している。
NATO領空へのドローン侵入はこれまで同盟への攻撃とは見なされておらず、32加盟国による集団防衛の議論は起こっていない。しかしこうした越境事案の増加により、欧州東部に位置する加盟国は対ドローン防衛の強化を急いでいる。
ラトビアのエビカ・シリニャ首相は5月10日、アンドリス・スプルーズ国防相に辞任を求めた。ドローン迎撃システムの配備が遅かった、と指摘した。
シリニャは、スプルーズの指導力への信頼は「尽きた」と述べ、先週のドローン侵入が「決定打」になったと語った。
2023年9月から国防相を務めていた学者出身のスプルーズは、別の声明で「ラトビア軍が政治闘争に巻き込まれるのを防ぐために」退任すると表明した。また、同国は引き続き防空能力の強化を進めると付け加えた。
シリニャは、ラトビア軍のライビス・メルニス大佐がスプルーズの後任になると発表した。首相はメルニスについて「ウクライナでの経験」がある人物と説明した。
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