また、パレスチナ自治区ガザでは、スンニ派ではあるが、「イスラエルへの抵抗」という共通目標があるイスラム組織ハマスやイスラム聖戦などを支援していて、こうしたイスラエル周辺の傀儡勢力は「抵抗の枢軸」とも呼ばれた。

イスラエルとイランの直接的な衝突を望んでいなかったのが、湾岸アラブ諸国だろう。メッカとメディナを抱えるサウジアラビアはスンニ派イスラムの盟主を自任しており、イランとは外交関係を維持しつつも、歴史的には緊張関係にある。

特にイランからすれば、1980〜88年のイラン・イラク戦争において、サウジアラビアを含む湾岸諸国がイラクを資金面で支援したことが不信の根源となっている。イスラエルのある歴史家は、イランにとって最大の脅威はイスラエルではなく、サウジアラビアであるとも指摘する。

共和党がイスラエルに肩入れ

一方、イランがイスラエルを取り囲むように傀儡勢力を強化したのと同じように、イスラエルとアメリカも「イラン包囲網」を強化した。それが2020年に第1次トランプ政権が仲介した「アブラハム合意」だ。

イスラエルと、イランの対岸にあるアラブ首長国連邦(UAE)やバーレーン(シーア派が多数派)などが国交正常化することで、イランを取り囲むように対抗した。

今回の軍事衝突で湾岸諸国の中でも特にUAEがイランから多くの報復を受けるのは、イランからすれば、UAEが米・イスラエル陣営に立っていることが明らかだから、とみることができる。

48年にイスラエルが建国を宣言した際、アメリカは11分後に承認した最初の国だが、政治的な関係の強化が進んだのは70年代以降だ。大統領が初めてイスラエルを公式訪問したのは74年で、共和党のリチャード・ニクソン大統領だった。

イスラエルと米ユダヤ人社会との複雑な距離感
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