[ワシントン 5日 ロイター] - 米商務省と国勢調査局が5日発表した3月の貿易収支は、赤字額が前月比4.4%拡大し603億ドルとなった。人工知能(AI)への投資ブームが輸入を押し上げ、中東紛争を背景とした石油の出荷増を一因とする輸出の伸びを大幅に上回った。ロイターがまとめたエコノミスト予想は609億ドルだった。

今回の報告は、貿易赤字が第1・四半期の経済成長の足かせとなったことを裏付ける形となった。AI関連の支出拡大に伴い資本財を中心に財(モノ)の輸入は今後も増加する可能性が高い。一方、イラン戦争に起因する石油輸送の混乱により、石油輸出がさらに増加し、輸入増を一部相殺するとエコノミストらはみている。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当エコノミスト、グレース・ズウェマー氏は、「米国の原油・石油製品の輸出が急増しているため、4月の貿易赤字は縮小すると予想している」と述べた。

3月の輸入は2.3%増の3812億ドルだった。モノの輸入は3.6%増の3022億ドル。資本財が過去最高の1207億ドルに急増したことが押し上げ要因となった。コンピューター周辺機器の輸入が20億ドル増加した一方、コンピューター本体は23億ドル減少した。石油を含む産業用資材・原材料は21億ドル増加。消費財の輸入が24億ドル増加したほか、自動車・同部品は36億ドル増加した。

サービスの輸入は19億ドル減の790億ドル。知的財産権使用料や輸送・旅行が減少した。

全体の輸出は2.0%増の3209億ドルと過去最高を記録した。モノの輸出は石油輸出の増加を背景に3.1%増の2135億ドルと過去最高を記録した。産業用資材・原材料の輸出が50億ドル増と過去最高を記録したことにけん引された。原油は28億ドル増加した。対イラン戦争で石油輸送が混乱し、原油価格が上昇していることから、今後数カ月間も石油輸出がさらに押し上げられる公算が大きい。

その他の石油製品の輸出は17億ドル増、燃料油も16億ドル増加した。食品・飼料・飲料の輸出は大豆がけん引し、2022年8月以来の高水準となった。一方、消費財の輸出は17億ドル減少した。

モノの貿易赤字は4.8%拡大し887億ドル。インフレ調整後では6.7%拡大し908億ドルとなった。

サービスの輸出は3億ドル減の1074億ドル。一方、輸送サービスや金融サー​ビス、その他のビジネスサービスの輸出は増加した。

米国は中国、台湾、ベトナム、メキシコ、カナダ、インド、韓国、サウジアラビア、イスラエルなど複数の国・地域に対してモノの貿易赤字を記録した。欧州連合(EU)との赤字額は3月に41億ドル拡大し92億ドルとなった。

第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率に対する貿易の寄与度はマイナス1.30ポイント。同四半期の経済成長率は年率2.0%だった。

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