世界をリードするJX金属の強み
JX金属はエネルギー大手のENEOSホールディングス<5020>の傘下ですが、上場を機にグループからの独立性を強め、半導体関連やリサイクルなど成長分野への投資を加速しています。
なかでも、半導体や光デバイスを作るのに不可欠な材料で世界をリードしています。たとえば、半導体の微細な回路を作るための成膜材料(スパッタリングターゲット)では世界シェアの約6割を握っています。
光と電気をスムーズに入れ替えるチップを作るには、極限まで純度を高めた不純物がまったくない金属の膜が必要になります。JX金属は究極の純度を作り出せる技術を強みに、シェアを広げているのです。
さらに注目したいのが、「インジウムリン(InP)基板」という特殊な材料。これは「電気」と「光」を相互に変換する光トランシーバーの受光や、発光素子に使用される不可欠な素材です。
JX金属は今年2月、このインジウムリン基板の増産に向けて新たに約200億円を追加投資し、茨城県にある工場の生産能力を増強すると発表しました。
JX金属の株価はどこまで上がるのか
そんなJX金属は、業績も好調です。3月には、2026年3月期の連結業績予想を上方修正しました。売上高は前期比15%増、純利益は36%増と増収増益を見込んでいます(決算発表は5月11日の予定)。
半導体向けのターゲット材料やインジウムリン基板など、AIサーバー需要の伸びに牽引されて販売が好調です。また、高速通信化・データセンター内の消費電力増加に伴い、サーバーラック内の配線といった近距離向けにも光通信の適用が拡大しているもようです。
マイクロソフトやグーグル(アルファベット)などアメリカの大手クラウド企業は、加速するAI競争に負けないために投資を加速しています。
これにより、JX金属の光関係のデバイスやターゲット材料は、さらなる需要の伸びが予想されています。高品質な先端品はプレイヤー数が限られるため値上げが通りやすく、収益性もさらに拡大する見込みです。