元検察官で、ニューヨークのペース大学で法学を教えているベネット・ガーシュマンに言わせると、トランプの名は「あの文書の至る所に出てくる」が、エプスタインの話は今や「アメリカでは政治的にアンタッチャブルだ」。
個人的には、3月23日のインサイダー取引疑惑に関する調査は水面下で進んでいて、ヘグセスへの利益供与に関与した人物への調査はSECの精鋭チームに引き継がれ、新興の予測市場には厳格なルールが適用され、エプスタイン文書は黒塗りなしで公開されて検察の手に渡り、捜査が始まると信じたい。それでこそ民主主義は健全だ。
でも現状を見る限り、なかなかそうは信じ難い。今は行政の現場で責任者の辞任や解任が相次ぎ、規制の強化が立ち消えになり、何を捜査するかは権力者の腹ひとつで決まっている。
見よ、今のアメリカはトランプ政権の約束した黄金時代ではない。いや、時の権力に寄り添う諸氏には文字どおりの黄金時代かもしれない。なにしろ都合がよすぎる。規制当局は骨を抜かれ、監督機関は乗っ取られ、大統領の一族は金融システムで最も規制の少ない一画で甘い汁を吸い、司法省は任務の遂行よりも事実の隠蔽に熱心だ。
権力にアクセスでき、それを利用する図太さのある人間にとっては願ってもない条件がそろった。CFTCの元職員が言ったように、ホワイトカラーの犯罪には絶好の時期。腐臭漂う黄金時代だ。
※この記事は後編です。前編「ようこそ『腐敗の黄金時代』へ! トランプのSNS投稿直前に謎の大規模取引、市場操作疑惑を徹底検証」はリンクからご覧ください。
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