トークコーナーでのBTSメンバー
トークコーナーでのBTSメンバー (P)&(C)BIGHIT MUSIC

久しぶりに再会したBTSは確かに変わっていた

私は17日のステージを鑑賞したが、久しぶりに会った彼らは確かに変わっていた。トークタイムでの和気あいあいとしたムードは以前のままだったが、進行/構成はよりクールかつスタイリッシュになり、きらびやかな雰囲気も若干控えめになったようだ。それでも前述の女性のコメントと同じく「これはこれでよかった」と思わせてくれる素晴らしい内容だったと思う。

朝鮮半島の代表的な民謡「アリラン」をキーワードに、自身のアイデンティティーとルーツを再認識し、カムバックする際の心境と未来像を聴き手と共有したい——。そんな願いから制作した『ARIRANG』。同作の収録曲を中心に構成した今回の公演は、民族的な演出が随所に盛り込まれたのが「変わった」と思わせるポイントのひとつだったのかもしれない。

韓国の国旗「太極旗」を連想させる色調をベースにしたデザイン(舞台装置、旗、布など)、朝鮮半島の歴史や文化を象徴するものを取り入れた衣装などを生かすために工夫されたパフォーマンスの数々は唯一無二。にもかかわらず、BTSらしさが損なわれていないところに彼らのポテンシャルの高さを感じさせる。

サウンドメイクもひと味違っていた。『ARIRANG』は、自分たちの出発点であるヒップホップはそのままに、ここ数年の音楽的なキャリア(ソロ活動やコラボレーションなど)をプラスして仕上げたアルバムである。実は過去の作品もそうした方向性で作られてきたのだが、空白期間が長かったせいで、成長ぶりを「変わった」と捉えた人たちがいたのだろう。今回の場合は、むしろ「進化」と表現するのが良さそうだ。

「進化」と「大衆性」を両立させるバランス感覚

『ARIRANG』を聴くと、「Dynamite」「Butter」で強まった大衆的なイメージを軌道修正したいのではないかと深読みしてしまいがちだ。しかしながら今回の日本公演でこの2曲はハイライトであったし、日本のファンのために「Crystal Snow」を用意するなど、決してリスナーを置き去りにしていない。

アーティスティックな面とリスナーが求めるものをバランスよく届けるのが、彼らにとっての理想形なのだ。そのようなグループの姿勢があらためて分かる来日公演を観られたことは本当に貴重な経験だった。

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