Noriyuki Hirata
[東京 24日 ロイター] - 住友生命保険は24日、2026年度の運用方針説明会で、日本国債への投資について、資産・負債総合管理(ALM)上の対応分は継続するものの、キャピタルゲイン狙いの積極投資にはやや慎重な姿勢を示した。日銀による利上げのターミナルレート(最終到達点)の想定は1.5-2.0%とし、従来想定の1.25%から引き上げた。今期の利上げは2回を想定している。
同社の泉忠和運用企画部長は、日銀の利上げが2年程度続くとの見方を示し、長期金利は上昇(債券価格は下落)基調での推移を予想。日本国債への投資は「キャピタル益狙いや、運用利回り上のメリットがあるという考えでの投資は、もうちょっと慎重になるということをベースに考えている」と述べた。保険の新契約に対応した投資にとどまり、償還の影響などで残高は減少する見込み。
超長期債については、経済価値ベースのソルベンシー規制導入に向けた各生命保険会社の対応がほぼ完了したとして、「これまでのように超長期債を大量に買うニーズは減った」と述べた。収益力向上のため、低利回り債の入れ替えは継続する方針。今期は10年国債利回りで2.20―2.80%、30年国債で3.40―4.20%のレンジを予想している。
日銀の利上げは半年に1回のペースで継続すると見通しており、今期は6月と12月の利上げを予想する。高市早苗政権による成長戦略はサプライサイドを強化する政策との見方を示し「日本の潜在成長力が上がっていくことを大変期待している」と述べた。「短期的にすぐ生産成長率の上昇につながるとは思わないが、われわれの目線としてもターミナルレートが少し上がってきている」という。
<プライベートクレジット、過度に懸念必要な状態ではない>
収益力の向上に向けては、円建てクレジット資産やプライベートクレジットへの重点配分を継続する。CLO(ローン担保証券)やバンクローン・ファンド、ダイレクトレンディング・ファンドへの段階的な積み増しを進める方針を示した。プライベートクレジットの残高の約半分が高格付けのCLOで、市場変動に左右されにくい安定的なポートフォリオを構築しているとし「足元でも過度に懸念が必要な状態とは感じていない」とした。
企業価値の持続的向上に向けたバランス運用ポートフォリオでは、オープン外債の一部を外国株式にシフトする。
中東情勢は、緊張が早期に緩和するとの想定がメインシナリオと説明した。一方、仮に紛争が長期化してエネルギー供給懸念が現実化すれば、日本ではインフレが一気に加速して国内金利が急上昇する懸念があるとし、情勢を注視して機動的に対応する考えを示した。
米国経済は年末にかけて緩やかな拡大が継続すると予想し、26年下期に計50ベーシスポイントの追加利下げを実施するとみており、ターミナルレートは3.25%と予想した。ドル/円は、日米金利差縮小にもかかわらず、高市政権の財政政策への懸念や構造的な資金流出から、円安圧力がかかりやすいとの見方を示した。
26年3月末の有価証券の含み損益は、円金利上昇で国内公社債の含み損が悪化したが、日米株高による含み益改善で相殺。会計上バランスシートの自己資本の増減につながるその他有価証券の含み益は、前年度末対比で1兆2900億円増えて2兆3600億円となっった。
26年度の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り 2.20─2.80%(27年3月末2.50%)
日本国債30年物利回り 3.40─4.20%(同3.80%)
米10年国債利回り 3.50─4.50%(同4.10%)
日経平均株価 4万2000 ─ 7万円(同6万1000円)
米ダウ 4万2000─5万8000ドル(同5万4000ドル)
ドル/円 140─170円(同155円)
ユーロ/円 155─200円(同186円)