Yuliia Dysa Pavel Polityuk

[キーウ 21日 ロイター] - 業界関係者によると、ウクライナは22日にドルジバ原油パイプラインを通じたロシア産原油の輸送を再開する予定だ。ゼレンスキー大統領が修理作業の完了を発表し、パイプラインを巡る争いによって停止されていた900億ユーロの欧州連合(EU)融資を実行するようEUに求めた。

ドルジバ・パイプラインはウクライナ国内の施設が1月にロシアの攻撃を受けたため原油輸送が長期間停止し、ドルジバ経由のロシア産原油に依存し続けるEU加盟国のハンガリーとスロバキアから激しい反発を招いた。

両国はウクライナ政府が修理を意図的に遅らせていると非難したが、ウクライナはこれを否定。ハンガリーのオルバン首相はEU欧州理事会で既に承認されていた2カ年計画のEU融資に対して拒否権を行使し、加盟27カ国の多くの怒りを買った。

プーチン大統領の同盟者であるオルバン氏は4月12日の総選挙で敗北し、危機の沈静化に向けた道が開かれた。ゼレンスキー氏はこれまでパイプラインを4月末までに再開すると述べていたが、修理が21日に完了して再開の準備が整ったと発表した。

業界関係者は「原油の輸送は22日の正午前後に開始される予定だ」と述べ、ハンガ‌リー⁠の石油・ガスグループMOLが最初の輸送申請をしたと付け加えた。

この関係筋によると、最初の輸送はハンガリーとスロバキアに等分されるが、具体的な輸送量は明かさなかった。

EUのカラス外交安全保障上級代表は21日にルクセンブルクで開催されたEU外相理事会の後、EU融資について24時間以内に肯定的な決定がなされるとの見通しを示した。

EU欧州委員会のドムブロフスキス委員(経済担当)は21日、ウクライナの2026年の資金需要を確保しており、EUが5月末か6月初旬に融資の最初の支払いを実行する可能性が高いと述べた。

ゼレンスキー氏は欧州に対してエネルギー供給を多様化し、ドルジバ・パイプラインに依存しないよう繰り返し求めてきた。「ロシアがパイプラインのインフラを再び攻撃しないという保証は誰にもできない」と21日に警告した。

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