遺伝性の難病を患い、腎臓移植を必要としていた男性。そんな彼を救ったのは、全く面識のなかった同僚だった。
ニューハンプシャー州の放送局「WMUR-9」が報じたところによると、同州に住むリチャード・タンさんと同僚のキャリー・イルグさんは、共に医療センターのサザン・ニューハンプシャー・ヘルスに勤務していたが、それまで顔を合わせたことはなかった。
そんな2人の運命が交差したのは、診療看護師のイルグさんが、タンさんに「自分の腎臓を提供する」と告げた時だった。
タンさんは若い頃、遺伝性の病気である多発性嚢胞腎(のうほうじん)と診断された。2009年には亡くなったドナーから臓器提供を受け、一度目の腎臓移植手術を行っている。
そのおかげで命をつなぎ、平穏な生活を送ってきたタンさんだったが、2024年、医師から再び移植が必要だと告げられた。彼は医療センター内のカフェでフルタイムの仕事を続けながら、過酷な透析治療を開始。再びドナーが現れることを、一縷の望みに託して待ち続けていた。
2024年の夏、彼が働くカフェでは、ドナーを見つけるためにタンさんの病状への理解を深めるキャンペーンが実施された。これに申し込んだのがイルグさんだった。彼女は適合検査をすべてパスし、2025年1月、正式にドナーに選ばれた。
イルグさんは「WMUR-9」に対し、見ず知らずの誰かを助ける機会が訪れたとき、迷いは「全くなかった」と語っている。「彼を助けるのは自分の運命なのだと感じた」