新聞ジャーナリズムの大きな役割の一つは、国家に二度と戦争をさせないことだ。そのために必要なのは、戦争になったら被害がいかに広く深く長く及ぶかを一つ一つ具体的に、広く伝えることだと、私は思う。

「戦争報道」は多いが、こうした問題意識を持って「戦争報道」を続けている新聞記者は多くない。私はその1人だと自負している。

30年前、新聞記者になる前は政治部の記者になって、現代政治の動向を報道したいと思っていた。「常夏報道」をするつもりは、まったくなかった。しかし今は、この道を歩んできて良かったと思っている。

戦争と狂気を伝える『歴史と視点』は、私の記者人生の道しるべとなった。ガザやウクライナ、イランで続く戦争などを見るに付け、戦争が狂気の連鎖であることは81年前も今も変わらない。戦争まみれの現代でこそ、広く読み継がれてほしい。
 

栗原俊雄(Toshio Kurihara)
1967年生まれ、東京都出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、政治学研究科修士課程修了(日本政治史)。1996年毎日新聞入社。2020年から専門記者(日本近現代史・戦後補償史)。著書に『戦艦大和』『シベリア抑留』『勲章』(いずれも岩波新書)『戦後補償裁判 民間人たちの終わらない「戦争」』(NHK出版新書)『硫黄島に眠る戦没者 見捨てられた兵士たちの戦後史』(岩波書店)他。

 

歴史と視点 私の雑記帖

 司馬遼太郎[著]

 新潮文庫[刊]

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