職場環境がブラックであることも、AI化が進む大きな要因になります。アメリカの病院はまさにそうでしょうね。電子カルテなどの書類仕事で、医師も看護師も、平均して毎日2時間程度の残業が発生していた。命を預かる非常に大事な職場なので、みんな無理をして働いていたわけですが、過酷な労働環境のせいで離職率が上がってしまい、新しい採用が必要になって、その分のお金がかかる。だからこそ、ホワイトな職場にしたいというモチベーションが働く。
よいソリューションが出てくれば、日本でも「猫の手を借りたい」状態の業界では、導入がどんどん進んでいくでしょう。
──日本は世界のなかでも少子高齢化が進んでいる国です。シバタさんも本書のなかで、「生成AIで解決すべき課題がどの国よりも多いのが日本」であり、だからこそ日本には可能性があるというようなことを書かれていました。「アフターAI」における日本企業の可能性はどういうところにあるのでしょうか。
メンバーシップ型の日本企業では、少子高齢化で人材不足となっても、みんなが少しずつ我慢すれば対応できてしまう部分はあります。でも、明らかに限界レベルを超えている領域もありますので、そうしたところでAIを真剣に検討してみるといいでしょう。
諸外国では忘れられがちだけれども、日本ではわりと喫緊の問題になっているテーマとしては、インフラの老朽化が挙げられます。
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