工場の株式を所有している上司は、チャンさんのように社会保険料の支払いを逃れる労働者が30%いることについて「見て見ぬふり」をしている。

チャンさんは、工場が今年も「再び」赤字に陥った場合には閉鎖される可能性があるとし、「完全に徴収するのは難しい」と訴える。そして、「中国は広すぎる」と付け加えた。

広州のエンジニアリング会社で働くマリア・ワンさん(28)は、経営者が50人の従業員の社会保険料を賄うために所有するアパートや車を売却した⁠と明かす。しかし、この会社は現在、取引先への支払いにも苦慮しているという。

可能性の問題

人材サービス企業の中和集団が2025年8月、6689社を対象に実施した調査によると「完全に順守」していたのは34.1%にとどまった。

社会保険制度の最大の収入源となっている都市部年金は、25年に前年比5.77%増の7兆8000億元の収入があった。ただ、増加率は24年の5.61%とほとんど変わらなかった。

労働問題が専門のある弁護士は、企業が低い基本給を使うことで支払額を過少申告する傾向があると指摘する。これは違法行為となり得るが、「企業はリスクを認識しながらも、可能性の問題として扱っている」と語った。

一方、金融業界で働くユーさん(26)は、解雇をちらつかされて手取り収入を27%減らされた。月収は800元減の4000元に設定され、自分で500元の社会保険料を拠出している。

衣料品工場に勤務するシャーさん(39)は会社側から手取り収入の削減を突きつけられ、同僚とともに抵抗している。シャーさんは「私たちはいずれも地方出身で賃金が元々低い。600元を引かれたら、残りは生活費すら賄えない」と明かした。


[ロイター]
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