[20日 ロイター] - トランプ米大統領が薬価の大幅引き下げを指示する大統領令に署名したことを受け、米厚生省は20日、具体的な目標についてケネディ長官とメディケア・メディケイド・サービス・センター(CMS)のオズ所長、製薬業界が数週間以内に共有することになると明らかにした。

ケネディ氏は「製薬業界が米国の患者向けの薬価引き下げに全力を注ぐことを期待している。さもなければ彼らが確実にそうするようわれわれが手を打つだろう」と強調した。

トランプ氏は処方薬の価格を59─90%引き下げたい意向。大統領令では、薬価に「最恵国待遇(MFN)」の仕組みを導入し、他の先進国の最も低い価格に連動させることを狙っている。

厚生省の説明によると、1人当たり国内総生産(GDP)が米国の少なくとも60%となっている経済協力開発機構(OECD)加盟国の価格を目指すという。

ただ専門家の間では、実現は難しいとの声が出ている。

BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト・エバン・シーガーマン氏は、MFNを適用する薬価制度は実現しそうにないと予想。トランプ氏としては米国の製薬企業の利益を圧迫しようとするつもりはなく、逆に海外の薬価押し上げにつながるための交渉戦術という側面が強いとの見方を示した。

米国で薬価が大幅に下がれば世界的な価格構造の抜本的な変化につながるとの指摘も聞かれる。シーガーマン氏は、ドイツやカナダなどで価格が上昇する恐れがあると述べた。

米国の大半の処方薬の価格は、他の先進国の3倍近くというケースも珍しくない。ただ米国では研究開発に膨大な投資が行われており、製薬会社は劇的な値下げで研究開発とイノベーションが損なわれると警告している。

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