イスラム軍事同盟の真の目的は、反イランで関係国との結束を図ることだと指摘する専門家もいる。サウジアラビアとイランは中東の盟主の座をめぐり激しく競い合っており、ここ数カ月のサウジアラビアは好戦的な姿勢を強めている。

「『テロとの戦い』は、国内外で別の政治目標を追求あるいは隠すための口実として利用されてきた。例えばサウジアラビアの新テロ対策法は、国王と皇太子を批判することをテロと見なすとしている」と、テネシー大学公共政策センターのハリソン・エーキンズは指摘する。

また、ムハンマドはテロとの戦いを唱えるが、これまでISISと激しく戦ってきたイラクとシリアは、イスラム軍事同盟に参加していない。どちらもイランと関係が深い国だ。「どの国が参加していないかを見れば、これがスンニ派諸国の反イラン同盟であることが分かるだろう」と、エーキンズは語る。

だが、イスラム軍事同盟のアブドルラウフ・サレハ事務総長は、そんな見方をきっぱり否定する。「敵はテロだ。特定の宗派や宗教や人種ではない」

それでも懸念は消えないと、エーキンズは言う。「この同盟をきっかけに、これまで水面下で高まっていたサウジアラビアとイランの緊張が、本物の衝突に発展する可能性は高まったと言えるだろう」

本誌2017年12月12日号≪最新号≫掲載

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