どうしてでしょうか。「気持ちになる」ってところがなかなかできないのでは、と思うのです。
そんなときは七色いんこ方式がピッタリ。役者のように本当に身体を動かしてみたら驚くほど分かる、つかめることがよく起こるんです。実感が湧いてくるんですね。そのまま「その気」になってみてください。ヤクザ映画を見た後はみんな肩を怒らせて映画館を出てくる、あれです。
例えば「10歳のお子さん向け商品」を開発している、とする。わたしもあなたもその昔は10歳でした。だから10歳児の気持ちが分かる......はずなんですけど、きれいさっぱり忘れてますね。しかも自分の頃と今とでは置かれた環境が全然違うのも確かです。さてどうするか。
しゃがんでみてください。10歳児の身長、140センチになってみてください。
視界が変わります。世界が変わって見えます。
手も足も、想像するより短いですよ。縮めてみてくださいね。もしかしたら、手が届かないところに手すりをつけていませんか? 足下の隙間、広すぎませんか? 案内看板はその位置、その角度で大丈夫でしょうか?
しゃがんだだけで10歳に戻れるわけではありませんが、何かヒントが転がっているはずです。今まで気がつかなかったことが山ほど目につくのではありませんか?
あるいは、接客カウンター。待たされるお客さまの気持ちをどうやって把握するか。まずはカウンターの向こう側に移動してみましょう。そして座ってみる。そこまで身体を動かしてみて、やっと見えてくる、感じられる発見があることを身体で知ってください。
そんなの簡単だよ、って顔をよくされるんですが、実際にやってみたことのある人もまた、少ないのです。どうやらわたしたちの「考える」という概念の中に「実際に身体を動かしてみる」発想は含まれていないことが多いようです。
でも実は、似たようなことをしているんです。○○駅の階段が下りにくい、混んでいてこんなに待ったのに、その態度はなんだ! とか。いつもはお客側の立場から、いろいろ思っているわけです。
同じです。全く同じことをご自分の商売でやってみましょう。
槇原敬之さんが『君の自転車』という歌を歌っています。「昨日の夜大喧嘩して/君はそのまま飛び出した......」と、いつもは自転車で僕の家にやってくる彼女が怒って自転車も忘れて帰ってしまったのを、サドルの高さは変えないまま、その自転車に乗って彼女の家に行く話です。その中で「君の自転車に乗って/君に会いに行こう/少し運転しづらいけど/サドルもこのままで」そして2番で「君の自転車に乗って/はじめて分かったよ/膝を少し曲げた世界で/僕を見上げてた気持ち」と歌うところがあって、まさに七色いんこ! なんですね。
こういう気持ちと行動、そこで得られる気づきを大切にしたい。ちょいメモの項で手を動かすことの意味をお伝えしましたが、今度は身体全体。声を出してみることが大事な場合もあるでしょうね。